バフェット太郎です。

ダウが2万ドルを突破しましたが、これは意図的に作られた数値であり、実際のダウは1万2885ドル程度だという指摘があります。

どういうことかと言うと、ダウはこれまで過去51回にわたって、その時代の米国を代表する銘柄と入れ替えられてきました。事実、2004年以降、14銘柄が入れ替えられています。
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もし、これらの銘柄を入れ替えをせず、そのまま保有していたとすると、現在のダウは1万2885ドルだったというわけです。

そもそもダウは構成銘柄30社の単純平均株価を除数で割ることで算出されます。除数は銘柄入れ替えや株式分割などがある度に、指数の連続性を保つために調整されています。

例えば、コカ・コーラ(KO)40ドル、プロクター&ギャンブル(PG)80ドル、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)110ドルの合計株価は230ドルになり、これを除数3で割るとダウ指数は76.7ドルになります。

そして、コカ・コーラ(KO)が時代に合わないとし、除外される一方でアップル(AAPL)120ドルが新たに採用されたとします。すると、アップル(AAPL)120ドルとプロクター&ギャンブル(PG)80ドル、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)110ドルの合計株価は310ドル、除数3で割るとダウ指数103.3ドルとなり、指数に連続性がありません。

そのため入れ替え後は「除数」ではなく「新除数」を使うわけですが、「新除数」は次のように求めます。

310ドル(新ダウ合計)÷230ドル(旧ダウ合計)×3(旧除数)=4.04(新除数)

310ドル(新ダウ合計)÷4.04(新除数)=76.7ドルとなり、連続性が保てるわけです。

とは言え指数の連続性が保てたとしても、除外されたコカ・コーラ(KO)とアップル(AAPL)とでは、将来の成長率が違います。そのため、株価成長率の高い銘柄を入れ替えることでダウを上昇させることができるというわけです。

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また、アップル(AAPL)の株価がそもそも120ドルであることから、株価40ドルのコカ・コーラ(KO)以上に株価に与える影響力は大きいです。例えば、旧ダウ指数の場合、コカ・コーラ株が20%上昇すると、株価は40ドル→48ドルとなり、ダウ3種の合計株価が238ドル、ダウ指数は79.3ドルになります。

一方でアップル(AAPL)株が20%上昇すると株価は120ドル→144ドルとなり、ダウ3種の合計株価が334ドル、ダウ指数は82.7ドルとなり、旧ダウ指数に比べて4.29%高いです。

このように実際でもゴールドマン・サックス(GS)の株価が230ドルあることから、ゼネラル・エレクトリック(GE)の株価30ドルより7倍以上の影響力を与えていることが指摘されています。これはゼネラル・エレクトリック(GE)の時価総額の方がゴールドマン・サックス(GS)のそれよりも3倍弱大きいのにも関わらずです。

つまり、ダウの問題は大きく分けて二つあります。

一、除外される銘柄と新規採用される銘柄とで株価成長率が違う

二、株価の大きい銘柄が全体に与える影響が大きくなりすぎる

こうした問題があるため、ダウはベンチマークとしては相応しくないのです。では、これらの問題が投資戦略に与える影響とは一体なんでしょうか。投資家は個別銘柄の買い持ち戦略を捨てて、新規採用銘柄の株価成長率に賭けてダウインデックスファンドに投資すれば良いのでしょうか。あるいは、株価の大きい銘柄が全体に与える影響を抑えるために、自前のポートフォリオを作った方が良いのでしょうか。

一については、株価成長率を追わず、配当利回りに着目した高配当連続増配株に投資し、配当を再投資することで、長期的にはダウを上回ることが期待できます。とは言え、ダウインデックスに投資して配当を再投資しても十分ンリターンは大きく、ジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらす』では、S&P500指数に上回るリターンが得られたことが証明されています。

二については、自前でポートフォリオを組めるだけの資金量がある投資家だけ、自前でつくれば良いと思います。そうでなければ、利上げ局面ではゴールドマンサックス(GS)の株価成長率の恩恵を受け両手を上げて喜び、利下げ局面や金融危機ではその両手で頭を抱えればいいと思います。

グッドラック。

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