バフェット太郎です。

トランプ大統領は自国に工場を誘致することで雇用を増やし、特定の国に対して高率の関税をかけることで国内産業を守ろうとするなど、保護貿易に走っています。しかし、経済学の世界ではこれと反対の自由貿易をした方が双方が豊かになると言われています。ところで自由貿易の理論というのはどういったものでしょうか。

自由貿易を説明する際、よく弁護士とその秘書の関係で説明されることが多いです。言っておきますけど二人のロマンスを説明するわけではありません。

比較優位

弁護士のデキスギ君は秘書のシズカちゃんより、弁護士としての能力はもちろん、事務作業もめちゃくちゃ早いです。何でもデキるデキスギ君は、のんびり事務作業をするシズカちゃんの仕事ぶりにいつもイライラしていました。しかし絶対にクビにしようなどとは思いません。なぜならデキスギ君は「比較優位の理論」を知っているからです。

デキスギ君は法務と事務の両方で優れた能力を持っていますが、最も得意とする弁護士の仕事に特化し、シズカちゃんには事務作業を手伝ってもらうことで双方が利益を得ることができるのです。そのためデキスギ君はシズカちゃんの仕事ぶりにイライラしつつも、自身が弁護士の仕事に集中できるためよしとするわけです。

そのような比較優位論を応用し、米国はデザインや設計など高度な専門分野に特化し、単純な組み立て作業をメキシコに担ってもらうことで双方が利益を得ることに成功してきました。実際、米国はこれまで自由貿易を推進することで成長してきました。

しかしこれには問題も起こりました。工場がメキシコに移転してしまったがために、工場で働いていた白人労働者が職を失う事態が起きてしまったのです。本来、自由貿易とは米国とメキシコの双方が利益を得る仕組みであるにも関わらず、経済成長から取り残された白人労働者たちは職を失い、世の中に不満を抱くようになったのです。

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従って、政府は自由貿易を推進しつつも、短期的に職を失った人々のために別の仕事を用意してあげなければなりません。それができなければ、国民の不満が爆発し、昨年11月の大統領選挙のような選挙結果になるのです。だっておかしいでしょ。トランプ大統領は選挙で公約してたこと(TPP離脱やメキシコとの国境に壁建設、移民・難民の規制など)を次々と迅速に実行してるのに、やることなすこと全部怒られてるんですよ。

こんなことにならないためにも、政府は失業した白人労働者に対して職を紹介しなければならないのですが、そう簡単に満足のいく仕事が見つかるわけではありません。自由貿易の下では、そもそも米国人だからという理由だけで、同じ仕事をしているメキシコ人より高給だということが間違っているのです。

そのため賃金を引き下げるか、あるいは、高度で専門的な職業訓練をするか、公共投資により雇用を創出するかしか手立てはありませんが、どれも完璧に問題を解決してくれるものではないので、人々はこれからも今回の選挙結果のように度々間違った決断をしてしまうのかもしれませんね。

グッドラック。

(関連本:「この世で一番おもしろいマクロ経済学――みんながもっと豊かになれるかもしれない16講 」「この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講 」)

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