バフェット太郎です。
投資は世界分散が基本だという考え方があります。これは1990年以降、日本株だけに集中投資するよりも世界に分散投資した方がはるかにリスクが低くリターンも高かったからです。
バブル崩壊以降、多くの資産運用の専門家たちが「海外株投資はハイリスクだから初心者には危険だ」とか「よく知ってる日本株を応援するつもりで長期投資しましょう」と説いてきました。その後、日本株は20年以上低迷した結果、長期投資で報われた投資家が一人も生まれませんでした。
一方で世界に広く分散されたETFやインデックスファンドに投資した方がはるかにリスクが低くリターンも高かったことが次第に明らかになりました。これはアジア通貨危機以降、韓国が急速に経済成長し、サムスン電子やLGなどグローバル企業を輩出したことや、中国も共産主義から資本主義に傾斜することで一気に経済成長が加速し、GDPは世界第二位まで上昇したこと、さらに資源価格の上昇によりロシアやブラジルなどの新興国の経済成長が加速したことなどが背景にあります。
そのため個人投資家の間では、先進国だけでなく、リスクの高い新興国にも広く分散投資することで、リスクを抑ながらリターンも高められると信じられてきました。しかし、リーマンショック以降その考え方は間違っていることがわかったのです。
チャートは過去10年間のS&P500指数とiシェアーズ・MSCIエマージング・マーケットETF(EEM)の推移です。
S&P500指数のリターン+65.12%に対して、EEMはー0.39%と10年間で全くリターンを生み出していません。これは資源価格の落ち込みが大きな原因です。
チャートを眺めると二つの指数が概ね連動していることがわかると思います。つまり、新興国株は資源価格の上昇による恩恵を受けていたにすぎなかったというわけです。
新興国に投資している多くの投資家たちは、将来にわたって経済成長が加速し、新興国の企業が先進国の企業と対等に渡り合い、かつての日本や中国のように株価が上昇すると信じているかもしれませんが、ほとんどの場合においてそうはなりません。だって誰も新興国の加工食品や日用品を積極的に利用しようとは思わないし、家電製品だって欲しいと思わないでしょう?これは新興国の人たちだって同じで、自国の製品より先進国の製品を欲しいと思ってるのです。
もちろん新興国の企業が成長しないというわけではありません。関税をかけることで自国の産業を保護しながら成長させることができるので、自国の経済成長に合わせて、新興国の企業も成長します。しかし、上記のチャートで示したように、自国の経済成長を示す株価は資源価格の低迷と同時に失速してしまうので、そうしている間にも先進国経済は着々と成長することで、投資利回りに差が生まれるのです。(資源価格に関係なく米国株は上昇しているでしょ?)
ちなみに新興国はリスクが高いから短期的な値動きを無視すれば米国以上のリターンが得られるわけではありません。1900年、まだ新興国だった日本株に投資して2000年まで買い持ちした場合の年率平均リターンは4.5%と、米国の6.7%を大幅にアンダーパフォームしているので、もし、新興国に長期投資した方が米国に長期投資した場合のリターンを上回るというなら、それなりの根拠がなければなりません。
しかし、歴史は何も証明してくれていません。ちなみに、米国人にとっての新興国と言えば、メキシコやブラジルですが、米国の個人投資家がメキシコやブラジルに長期投資してお金持ちになったという話は聞きません。
このように新興国は資源価格の上昇による恩恵を受けてでしか経済成長できないので、資源価格が低迷する限りは景気も低迷し続ける運命なのです。
そうした中で新興国経済はさらなる難題に直面しています。それは米国の利上げです。かねてから新興国の政府や企業は低金利のドル建てで借金をしてきましたが、米国の利上げが加速すれば金利差が拡大し、ドル建て債務が膨張してしまうのです。
それに対処するかたちで新興国も利上げに踏み切らざるを得ないのですが、これは金融引き締めを意味するので、自分で自分の首を絞めていることに他なりません。しかし、それしか道が残されていないのも現実です。つまり新興国の行きつく先は今よりずっと深刻な未来だということです。
それでも新興国に分散投資して長期保有することが正しいと思いますか?
米国の利上げが加速し、金利差が拡大する中で通貨が安くなり、加えて資源価格が上昇すれば、また00年代以降のように国際競争力の高まりから株価も上昇しますが、長期で見た場合のリターンは米国株に配当再投資した場合のそれと比べてかなり劣りますよ。(日本株と米国株のようにね)。
グッドラック。
(参考文献:「証券市場の真実―101年間の目撃録 」)
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投資は世界分散が基本だという考え方があります。これは1990年以降、日本株だけに集中投資するよりも世界に分散投資した方がはるかにリスクが低くリターンも高かったからです。
バブル崩壊以降、多くの資産運用の専門家たちが「海外株投資はハイリスクだから初心者には危険だ」とか「よく知ってる日本株を応援するつもりで長期投資しましょう」と説いてきました。その後、日本株は20年以上低迷した結果、長期投資で報われた投資家が一人も生まれませんでした。
一方で世界に広く分散されたETFやインデックスファンドに投資した方がはるかにリスクが低くリターンも高かったことが次第に明らかになりました。これはアジア通貨危機以降、韓国が急速に経済成長し、サムスン電子やLGなどグローバル企業を輩出したことや、中国も共産主義から資本主義に傾斜することで一気に経済成長が加速し、GDPは世界第二位まで上昇したこと、さらに資源価格の上昇によりロシアやブラジルなどの新興国の経済成長が加速したことなどが背景にあります。
そのため個人投資家の間では、先進国だけでなく、リスクの高い新興国にも広く分散投資することで、リスクを抑ながらリターンも高められると信じられてきました。しかし、リーマンショック以降その考え方は間違っていることがわかったのです。
チャートは過去10年間のS&P500指数とiシェアーズ・MSCIエマージング・マーケットETF(EEM)の推移です。
S&P500指数のリターン+65.12%に対して、EEMはー0.39%と10年間で全くリターンを生み出していません。これは資源価格の落ち込みが大きな原因です。
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チャートは過去10年間のiシェアーズ・S&P・GSCI・コモディティ・インデックス・トラスト(GSG)とEEMの推移です。GSGは商品指数に連動するように運用されているETFです。
チャートを眺めると二つの指数が概ね連動していることがわかると思います。つまり、新興国株は資源価格の上昇による恩恵を受けていたにすぎなかったというわけです。
新興国に投資している多くの投資家たちは、将来にわたって経済成長が加速し、新興国の企業が先進国の企業と対等に渡り合い、かつての日本や中国のように株価が上昇すると信じているかもしれませんが、ほとんどの場合においてそうはなりません。だって誰も新興国の加工食品や日用品を積極的に利用しようとは思わないし、家電製品だって欲しいと思わないでしょう?これは新興国の人たちだって同じで、自国の製品より先進国の製品を欲しいと思ってるのです。
もちろん新興国の企業が成長しないというわけではありません。関税をかけることで自国の産業を保護しながら成長させることができるので、自国の経済成長に合わせて、新興国の企業も成長します。しかし、上記のチャートで示したように、自国の経済成長を示す株価は資源価格の低迷と同時に失速してしまうので、そうしている間にも先進国経済は着々と成長することで、投資利回りに差が生まれるのです。(資源価格に関係なく米国株は上昇しているでしょ?)
ちなみに新興国はリスクが高いから短期的な値動きを無視すれば米国以上のリターンが得られるわけではありません。1900年、まだ新興国だった日本株に投資して2000年まで買い持ちした場合の年率平均リターンは4.5%と、米国の6.7%を大幅にアンダーパフォームしているので、もし、新興国に長期投資した方が米国に長期投資した場合のリターンを上回るというなら、それなりの根拠がなければなりません。
しかし、歴史は何も証明してくれていません。ちなみに、米国人にとっての新興国と言えば、メキシコやブラジルですが、米国の個人投資家がメキシコやブラジルに長期投資してお金持ちになったという話は聞きません。
このように新興国は資源価格の上昇による恩恵を受けてでしか経済成長できないので、資源価格が低迷する限りは景気も低迷し続ける運命なのです。
そうした中で新興国経済はさらなる難題に直面しています。それは米国の利上げです。かねてから新興国の政府や企業は低金利のドル建てで借金をしてきましたが、米国の利上げが加速すれば金利差が拡大し、ドル建て債務が膨張してしまうのです。
それに対処するかたちで新興国も利上げに踏み切らざるを得ないのですが、これは金融引き締めを意味するので、自分で自分の首を絞めていることに他なりません。しかし、それしか道が残されていないのも現実です。つまり新興国の行きつく先は今よりずっと深刻な未来だということです。
それでも新興国に分散投資して長期保有することが正しいと思いますか?
米国の利上げが加速し、金利差が拡大する中で通貨が安くなり、加えて資源価格が上昇すれば、また00年代以降のように国際競争力の高まりから株価も上昇しますが、長期で見た場合のリターンは米国株に配当再投資した場合のそれと比べてかなり劣りますよ。(日本株と米国株のようにね)。
グッドラック。
(参考文献:「証券市場の真実―101年間の目撃録 」)
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