バフェット太郎です。

インデックス投資家のバイブル「ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理」によれば、アセットアロケーション(資産配分)に占める債券の組み入れ比率を自分の年齢と同程度にするのがよいと記してあります。

これは著者のバートン・マルキール氏が「投資家は年をとるにつれて、リスクの高い投資の割合を減らし、債券やREIT、配当が安定した高水準な株式の割合を増やし始めるべきである」と考えているためです。

例えば、マルキール氏が提唱する30代後半から40代初めの投資家と60代後半以降のアセットアロケーションは以下の通りになります。
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(本書では60代後半になっても、インフレ・ヘッジを考慮してポートフォリオの40%は一般の株式に、15%はREITを組み入れておくことを推奨しています)。

なるほど。このように、ライフサイクルに合わせてリスクをコントロールしてアセットマネジメントすることは大切ですが、バートン・マルキール氏は現実がまったく見えていないようです。

一般的なライフサイクルを考えれば、20代30代で結婚・出産し、育児が始まります。また、大きな買い物では結婚式費用はもちろん、自動車やマイホームの購入、新しい住まいに合わせた家具家電の購入など、思っているよりもずっと多くのお金が必要になります。従って一般的な生活水準にしようと思ったら、独身時代に貯めた資産を取り崩す必要があるので、株式に70%も投資することができないのです。

そのため、多くの個人投資家が「短期的な資産額の変動に一喜一憂しない」と言いながらも債券にばかり投資するのはボラティリティを低く抑えることで、いつでも出金できるようにするためです。

従って、20代30代で株式のような高リスク資産に70%も投資しようと思ったら、「普通一般」の暮らしを捨てなければなりません。しかし、ほとんどの人にとって長期的な資産運用をして年をとってからお金持ちになるよりも、「普通一般」の暮らしをした方がずっと幸せな選択となり得るので、「お金持ちになる」ことを捨てて「普通一般」を選択することは正しいです。

そのため、お金持ちになる方法が広く知られていても、誰もそれをやらないのは「幸福な選択」になり得ないからです。

それでも独自の世界観と価値観を持つことで世間とは別の「幸福」が感じられる人はどうぞ。バートン・マルキール氏らが提唱する投資戦略は、そうした世間からズレた人のための投資戦略なのだから。

グッドラック。

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