バフェット太郎です。

バフェット流バリュー株投資とは「株を割安で買って高く売る」ということではありません。

大原浩著『投資の神様』によれば、「投資の重要な原則は、『安く買って高く売る』ことである。バフェットが最強の投資家であり続けているのは、会社の定価を理解し、株価が高いか安いかをすぐに判断できるからだ」とのこと。

確かにバフェットはそのような投資手法をしている時期がありました。バフェットの投資スタイルはバリュー株投資の父ベンジャミン・グレアムからの影響によるものなので、「安く買って高く売る」という「シケモク投資」で資産を増やしたのは事実です。

シケモク投資とは、誰かが吸い終えたタバコにもう一度火をつけて吸うというもので、バフェットはしょうもない農機具メーカーや、三流のデパート、地方の倒産しそうな繊維会社(バークシャーハザウェイの前身)などへ投資していました。今でこそバークシャーハザウェイの中核事業となっている自動車保険のガイコーも、バフェットが投資した時期は倒産の危機に瀕しているときでした。

しかし、荒井拓也著『バフェット・コード』によれば、 1987年にバフェットはグレアム流バリュー株投資からバフェット流バリュー株投資へ投資手法をシフトしたとのこと。

ある日チャーリー・マンガーはバフェットにこう助言しました。「ウォーレン、私はそこそこの企業を素晴らしい価格で買うよりも、素晴らしい企業をそこそこの値段で買った方がはるかに良いと思うね。」

これは、投資金額が大きくなり過ぎたため、正しい判断をこれまで以上に多くすることは困難だったためです。
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その後バフェットは、自身の投資スタイルをシケモク投資からクオリティ投資に次第にシフトさせていき、株主への手紙でこう説明しました。「あなたの会長(つまりバフェット)は学ぶのがとても素早い人物でありまして、グッド・ビジネスを買うのがとても大事なことだと認識するのにたった20年しか要しなかったのです。その間、私は『バーゲン』を探していました。不幸なことにいくつかそういうものを発見し、その間違いを身をもって知ったものです」

こうしてバフェットはそれまでのシケモク株投資から距離を置き、質の高い企業に投資するクオリティ株投資にシフトしていったのです。

今ではバークシャー・ハザウェイの公開株式のポートフォリオのおよそ7割をウェルズファーゴとクラフトハインツ、コカ・コーラ、そしてIBMの優良企業4社が占めています。また、買収して子会社化した優良企業には、鉄道大手のバーリントン・ノーザン・サンタフェ、複合金属製品の世界的製造会社のプレシジョン・キャストパーツがあります。ちなみに、バフェットがこれらの優良企業を買う時、世間では決して割安だとは評価されていませんでした。

それでも優良株を買うことで安定したキャッシュフローが見込めるため、バフェットは時間の経過とともに資産を拡大させてくれるはずだと考えたのでしょう。そしてそれは期待以上の成果を出したと思います。

バフェット流バリュー株投資とは決してPBR1倍割れのような割安な株を買うことではなく、質の高い株、つまり優良株を買う事であり、優良株は滅多なことで割安にはならないので、そこそこの値段で買う必要があります。しかし、それこそがバフェット流のバリュー株投資なのです。

グッドラック。
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