バフェット太郎です。

5日のNYダウ株式市場は前日比-1.10ドル(-0.01%)安の2万1478.17ドルとほぼ横ばいで取り引きを終えました。この日、市場参加者たちが注目していたのはFRB(米連邦準備制度理事会)が公表した6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨です。

FRBは6月13・14日の日程で開催されたFOMCで0.25%ptの追加利上げを決定し、金利を1.00-1.25%としました。また、FOMC後の記者会見で米国債やモーゲージ債などFRBが保有する4兆5000億ドル(約500兆円)規模の資産を縮小する計画を明らかにしていました。ただし具体的な時期については明言していませんでした。

さて、この日発表されたFOMC議事要旨によれば、具体的な開始時期について議論されていたことが明らかになりました。ただし、「市場は資産縮小を開始するのに十分な準備を整えた」とするタカ派のメンバーが数人いる一方、「インフレが上向くとのさらなる証拠を待つべきだ」とするハト派のメンバーも数人いるなど、意見が対立していることが明らかになりました。

タカ派のメンバーは金融引き締めのペースが遅くなれば、資産バブルを形成し、後半、慌てて追加の利上げに踏み切らざるを得なくなり、結果的に景気後退の時期を早めることを心配する一方、ハト派のメンバーは金融引き締めのペースを急ぎすぎれば、政策の変更(つまり金利を再び引き下げたり)に繋がり、従来ほど段階的なアプローチではないと市場に誤解され、結果的に金融政策がチグハグして景気後退を早めてしまうことを心配しています。

このような意見の対立を受けて、将来の金融引き締めペースが鈍化するとの懸念から、米10年債が買われ利回りが低下しました。また、米10年債利回りと逆相関の関係を示している人気ハイテク株「FAAMG」が軒並み買われ、フェイスブック(FB)+1.29%高、アマゾン・ドット・コム(AMZN)+1.86%高、アップル(AAPL)+0.41%高、マイクロソフト(MSFT)+1.33%高、アルファベット(GOOGL)+1.45%高と大きく反発しました。

しかし、FAAMG株は依然として全銘柄が50日移動平均線を下回っているので、これを上にブレイクアウトして再び強気トレンドを形成するのか、あるいは押し返されて弱気トレンドを形成し始めるのかが注目されています。
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【アマゾン・ドット・コム:AMZN】
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【原油先物相場:$WTIC】
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ちなみに、原油先物相場は注目されていた50日移動平均線に押し返されるようにして、前日比-4.12%安と急落しました。これを受けてエネルギー株のエクソン・モービル(XOM)は-1.52%安、シェブロン(CVX)-1.58%安、コノコフィリップス(COP)-3.29安と軒並み売られました。

原油価格が下落した主な要因は、OPEC(石油輸出国機構)による輸出量が、1月から始まった協調減産にも関わらず増加したことを受けたものです。

そもそも協調減産とは、メンバーがお互い協力して減産することで原油高に誘導することを目的にしています。しかしゲーム理論によれば、協調減産は、値上がりした原油を大量に売る「裏切り者」が最も得をし、値上がりした原油を売らない「正直者」が最も損をします。

産油国の財政がひっ迫する中で、最初はお互い協力し合いますが、自国の経済を優先した裏切者が一人、二人と現れれば、最終的に全員が裏切り、協力関係は崩壊します。協力関係が崩壊すれば増産ラッシュで原油価格は再び急落。米国で全セクター中、今期最大の増益率が達成されると予想されているエネルギーセクターは再び急落して巡り巡って米国株式市場の重しとなる可能性が高まります。

グッドラック。

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