バフェット太郎です。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が「平成28年度業務概況書」を公表しました。

業務概況書によれば、17年3月末時点のアセットアロケーションは以下の通りです。
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国内債券は前期33.26%に対して、31.68%と大幅に減少しました。

国内株式は同23.76%に対して、23.28%と減少しました。

外国債券は同13.37%に対して、13.03%と減少しました。

外国株式は同23.16%に対して、23.12%とほぼ横ばいでした。

短期資産は同6.46%に対して、8.89%と上昇しました。

国内債券が大幅に減少した要因は、償還期限が相次いでいるためです。また日本2年債利回りは-0.11%、5年債利回りは-0.05%とマイナス金利が続いているので再投資しにくいことも比率を押し下げている要因になっています。

加えて、国内外株式に割高感があるなど積極的に再投資できる環境ではないため、短期資産が8.89%とキャッシュポジションが積みあがっているわけです。

ただし、運用担当者に株式のバリュエーションをもとに売買の判断はさせない方がいいです。なぜなら、そもそも誰にも将来の先行き見通しを正確に予想することができないことを考えれば、投資をしないことの機会損失も考えられるからです。

そのため、国内債券の比率が大幅に低下する一方、短期資産の比率が上昇するなら、国内債券と短期資産の合計を35%とし、残りを国内外株式、そして外国債券を「基本ポートフォリオ」に沿うように投資した方が賢明です。

現在、米国株式市場はボラティリティ(変動率)が低いのは、多くの市場参加者たちが株価の調整局面を虎視眈々と待っているからに他なりません。しかし、マーケットが度々、多くの市場参加者の予想に反した動きをすることを考えれば、このまま株高が加速する可能性もあるため、GPIFは機会損失のリスクが高まっていると考えられます。

従って、仮にGPIFの運用担当者の裁量で投資判断を下した結果、国内外株式の比率が低下しているのなら、それは素人臭いクソダサい投資していることに他なりません。
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★★★

とは言え、GPIFの基本的な運用戦略は賢明です。

前年度の収益率は+5.86%、収益額は+7兆9363億円です。うち、配当収入は2兆5334億円と全体の32%を占めています。

01年から16年にかけての累積収益額は+53兆3603億円です。うち、配当収入は28兆0808億円と全体の53%を占めています。

配当再投資による株資産はそれ自体がいくら値下がりしても含み損を発生させるわけではないですし、再投資した株資産からは毎年安定した配当収入と値上がり益が期待できるので、累積収益額は右肩上がりで増加していくことが予想されます。

【インカムゲインの推移】
2
国内債券による配当が減少していく中、国内外株式による配当が大きく増加しています。

【運用資産額の推移】
3
運用資産額は144兆9034億円です。配当再投資による恩恵が大きいです。

バフェット太郎はGPIFの運用担当者が相場に振り回されずに、基本ポートフォリオに沿った規律ある投資をすることを期待しています。

グッドラック。

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