バフェット太郎です。

12日のNYダウ株式市場は前日比+123.07ドル(+0.57%)高の史上最高値を更新して取引を終えました。上昇した主な要因は、FRB(米連邦準備制度理事会)イエレン議長の半年に一度の議会証言を好感したためです。

【ダウ平均:$INDU】
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そもそも投資家たちが、企業業績や労働市場を巡る経済指標が良好であるのにも関わらず、相場の先行き見通しに懐疑的になっている理由は、賃金や物価が上昇しないからです。こうしたまだら模様の米国経済の中で、FRB高官が相次いでタカ派的な発言を表明していることで、投資家たちは「金融引き締めに耐えられる経済状況でないのにも関わらず、FRBが利上げに踏み切ればリセッション(景気後退)が早まってしまう」と懸念しているというわけです。

しかし、今回の議会証言でのイエレン議長の発言は、そうした投資家の心配を和らげるものでした。

まず、金利の段階的な引き上げを継続する必要があるとの見方を示したものの、目標とする金利水準は、07年の5.25%まで上昇させる必要はないとの見解を示しました。また、08年の金融危機以降に膨らんだ4兆5000億ドル(約510兆円)ものバランスシートの縮小については、年内に縮小を開始する見通しだとしつつも、具体的なタイミングについては明らかにしませんでした。

このような、ややハト派的な発言が投資家たちを安心させたのです。

ちなみに、イエレン議長は賃金と物価について、そのうち上昇圧力をもたらすだろうとし、再び2%に向かいつつあると予想される限り、金融政策をいくらか調整することこそが賢明な道筋だとしました。つまり、事前に用意したシナリオの通りに利上げが実施されるのではなくて、実体経済とコミュニケーションを取りながら、無理せず段階的に緩やかに引き上げていくというわけです。

また、バランスシートの縮小に伴う金利上昇圧力については、「非常にゆっくりとしたペースで長い時間をかけて縮小すれば、何年にもわたって緩やかに上昇することになると思う」と述べました。

こうした中、CMEフェドウォッチによると、市場が織り込む17年12月の利上げ確率は53%と、議会証言前の60%から下落しています。

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【ナスダック:$COMPQ】
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イエレン議長がタカ派的な発言をするのではと警戒していたナスダック市場は、ハト派的な発言を好感して大きく上昇しました。

【米10年債利回り:$UST10Y】
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米10年債利回りも急落(価格は上昇)しています。

【ドル円:$USDJPY】
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日米金利差の縮小を警戒して、短期的には1ドル112円を目指します。ただし、バフェット太郎は中・長期的には118円とドル高円安方向に進むと予想しています。

さて、投資家たちは再びFRBの金融政策に注目した金融相場に戻りつつあります。金融相場では株式市場に投資マネーが流入しやすいから相場全体が上昇します。また、高PERでグロース株の多いハイテクセクターも上昇しやすいです。

グッドラック。

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