バフェット太郎です。

日本経済新聞によれば、米国経済が「ニュー・モノポリー」(新たな寡占)に直面しているとのこと。

そもそも寡占とは、限られた一握りの企業が市場を支配していることを意味します。記事によれば、フェイスブック(FB)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、アルファベット(GOOGL)の「ビッグ5」が、世の中のデータを支配していると指摘しています。

これまで「ビッグ5」はデータを半ば独占することで利益を最大化してきました。例えば、アルファベット(GOOGL)傘下のグーグルの検索シェアは約70%で、19年には80%に達すると予想されています。また、グーグルとフェイスブック(FB)の二社で、16年の米デジタル広告費の6割のシェアを占めるなど、圧倒的な支配力を示しています。

さらに今後、アップル(AAPL)はハード(製品)ではなくソフトで稼ぐことが予想されます。これまでアップル(AAPL)は、「iPhone」や「iPad」などのハードを売ることで巨額の利益を上げてきましたが、ユーザーが写真やスケジュールなどをアップルで管理しているため、アップル(AAPL)はこれを利用してソフトの分野でも稼ごうと考えているのです。

このような「ビッグ5」の支配は、多くの消費者の利便性を高めてきました。ぼくたちはグーグルやフェイスブックを無料で利用できるだけでなく、グーグルやアマゾン、フェイスブックのサービスを利用して、個人のビジネスに活用することもできるようになりました。

しかし、市場の支配が必ずしも良い結果だけを産むわけではありません。

アマゾンの躍進は多くの小売企業を淘汰し、多くの失業者を生みました。また、「ビッグ5」の合計従業員数は66万人と、ウォルマート・ストアーズ(WMT)の従業員数230万人の三割にも満たないことを考えれば、多くの労働者は「ビッグ5」の成長の恩恵を必ずしも享受しているとは言い難いです。

アマゾンは雇用創出のため、米国で10万人の常勤労働者を採用する計画を発表しましたが、主な業務は配送センターでの業務で、いずれロボットによる自動化で淘汰されることが予想されている仕事です。このような生涯に渡って勤め上げることのできない仕事は、短期的に失業者を吸収したとしても、長期的に見れば労働者が置き去りになっているという問題は解決していません。
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そのため、雇用を生まない「ビッグ5」が成長しても、米国経済にとって必ずしも良い結果を生むわけではありません。ただし、新たな技術は新たな需要の母となり、新たな仕事を生んできたことを考えれば、新たな仕事の創出は始まっていると考えることができます。

例えば、先にも書いた通り、グーグルやアマゾン、フェイスブックは個人のビジネスに活用され、新たな仕事を生み出しました。具体的な例を挙げれば、ブロガーやユーチューバーはグーグルの「グーグルアドセンス」を利用することで誰もが広告収入を稼ぐことができますし、アマゾンの「マーケットプレイス」やフェイスブックの「フェイスブックページ」を利用すれば、転売業をすることができますし、オリジナルの製品を販売することもできます。その他にも、個人の特技をお金に代える仕組みは出来つつあります。(というかすでに出来ています)。

こうしたことを踏まえれば、「ニュー・モノポリー」(新たな寡占)による産業構造の変化は、今は産みの苦しみの時期なのかもしれません。とは言え、新しいお金の稼ぎ方が「特技をお金に代えること」なら、何の特技もない労働者はどうすればいいのでしょうか。

フェイスブックのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は、「ベーシックインカムのようなアイディアを探るべきだ」と主張しています。これなら、「好き」を「特技」と言えるくらいの技能に磨きあげることで、毎月8万円くらい稼げるようになるかもしれません。そして、ベーシックインカム(例えば月8万円)と併用すれば16万円になるので、誰もが好きなことをして生きていくことができます。

好きなことをして生きるのに、大きな家や高級車などは必要ありません。最低限のお金があれば幸福に暮らせるなら、それこそが人間本来の生き方と言えるかもしれませんね。

グッドラック。

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