バフェット太郎です。

バリュー株投資家は配当と自社株買いに注目します。配当は配当利回りだけでなく、継続して配当を出してきたか、また、何年連続で増配しているか、そして今後も配当を出せるビジネスをしているのか、配当性向を見て余力があるのかなどに注目します。自社株買いは、過去に自社株買いをどれくらいしてきたのか、また、経営陣は定期的に自社株買いをしているのか、あるいは、業績が悪化したときだけ自社株買いをするのかなどに注目します。

配当と自社株買いのどちらが重要かと言えば、どちらも重要で、優劣はつけれません。配当再投資を戦略にした場合、受け取った配当は課税されるのに対し、自社株買いは課税されずに一株当たりの価値を高めるので、自社株買いの方が税制上有利に見えます。しかし、ほとんどの企業の経営陣は、配当ほど自社株買いに責任を感じていません。

配当を減配することや停止することは、経営陣にとって屈辱的で恥ずかしいことです。なぜなら自身の経営能力の低さを市場に晒し、さらに株価が大きく下落するからです。一方で自社株買いは、しなくても株価が大きく下がるということは少ないです。また、経営陣が自社株買いをすると発表した後は、投資家は本当に企業が自社株を買い戻すのか監視しなければなりません。自社株買いが中止されることが珍しくないからです。

理論上、配当よりも自社株買いの方が税制上有利であり、統計的にも、積極的に自社株買いをしている企業の株価の方が配当を積極的に投資家に還元している企業の株価に比べて、トータルリターンが多いです。しかし、長期にわたって自社株い買いを通じて積極的に株主に還元するかどうかは現時点ではわかりません。

つまり、自社株買いをする企業の株価のリターンは、配当を出す企業のリターンよりも高いということがわかっても、将来に渡って持続的な自社株買いをしてくれる企業を選ぶことは難しいのです。一方で、配当は違います。配当は経営陣の面子にも関わりますから、意地でも増配を継続する企業は多いです。この意地でもというのは、具体的には資産の売却により手元資金をつくり、配当として還元したり、あるいは、借り入れにより配当のための資金を賄うというものです。

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したがって、配当の所得税として20%課税されたとしても、銘柄選びで間違う可能性の低い配当増配銘柄を選んだ方が良い結果になる可能性もあります。そのため、配当か自社株買いかのどちらが重要か優劣がつけられないのです。ちなみに、配当と自社株買いで積極的に株主に還元している企業は以下のような銘柄があります。

エネルギー株ではエクソンモービル(XOM)、軍事関連株ではロッキードマーチン(LMT)、資本財株ではエマソン・エレクトリック(EMR)、鉄道株ではユニオン・パシフィック(UNP)、メディア関連株ではタイム・ワーナー(TWX)、小売株ではホームデポ(HD)やウォルマート・ストアーズ(WMT)、タバコのフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)、医薬品のファイザー(PFE)、保険のトラベラーズ・カンパニー(TRV)、IT関連株ではIBM、インテル(INTC)、通信株ではAT&T(T)などがあります。

ぼくはこのなかでXOM、WMT、PM、IBMに投資しています。

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