バフェット太郎(@buffett_taro)です。

米小売大手のウォルマート・ストアーズ(WMT)とネット通販大手のアマゾン・ドット・コム(AMZN)は競争激化に伴いコスト削減を強化しています。

アマゾンは「セラーフレックス」という新たなプロジェクトを立ち上げ、より多くの商品を二日以内に無料配送できるようにするとともに、倉庫での在庫積み上がり緩和を狙った新たな配送サービスを米国内で試験的に実施しています。

この新たな配送サービスはアマゾンが販売業者の倉庫からの集荷、顧客への配送まで一貫して処理するものです。これまでは販売業者がどの運送業者に配送を依頼するかを決めていましたが、「セラーフレックス」ではその決定権がアマゾンに移ります。

つまり、これまで輸送会社ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)やフェデックス(FDX)が長年担っていた業務に参入することになり、アマゾンは効率化によりコストを削減することで収益の改善が期待できます。

一方でウォルマートは先日、投資家向けの年次総会で、米国での新規出店を最低限に抑え、ネット通販と既存店舗の改善に経営資源を集中させることで、売上高に対するコストの割合を現状の21%から引き下げる計画を発表しました。
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ウォルマートのブレット・ビッグスCFO(最高財務責任者)はアナリストらに対し、「コストの観点からは期待通りにいっているとは言えない」とし、コスト削減強化の必要性を訴えました。

来期はネット通販売上高が約40%増加することが見込まれているため、米国での新規出店を25店舗未満とし、既存店の改修、ネット通販のインフラ整備、食料品・日用品の配達サービスの拡充に取り組む方針です。

ビッグス氏は四半期ごとに各事業のコストに無駄がないかを洗い出すとしており、同社は今年に入ってからレシートの長さを短縮したことで700万ドル余りを節約したそうです。

★★★

さて、小売業界で熾烈な競争が繰り広げられる中、環境の変化に順応できない企業ほど淘汰されやすいです。先日、CNBCがアマゾンが処方せん薬の販売を開始する決定に近づいていると報じたことで、ドラッグストアチェーンの株価が急落。CVSヘルスの株価はわずか一カ月で約ー12%安、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)も約ー17%安と軒並み下げています。

また、百貨店のメーシーズ(M)、コールズ(KSS)、ノードストローム(JWN)、JCペニー(JCP)の株価低迷は言わずもがなです。

一方、ネット通販事業が大きく伸長し、実店舗も底打ち傾向にあるディスカウントストア大手のターゲットは最近株価が回復してきています。

このように環境の変化に合わせて迅速かつ積極的に投資ができているかどうかを見極めることは、個別銘柄に投資する上で個人投資家の最低限のスキルになり得ます。

グッドラック。

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