バフェット太郎(@buffett_taro)です。

今から20年前の1997年、ネット通販の新興企業アマゾン・ドット・コム(AMZN)が上場しました。上場直後の株価はわずか2ドルだったので、20年間買い持ちしていれば500倍に値上がりしていたことになります。また、アップル(AAPL)も同期間で株価が約250倍も値上がりしています。とはいえ、誰もアマゾンやアップルの株を長期で保有できなかったことを考えると、そこにグロース株投資の難しさがあることがわかります。

【アマゾン・ドット・コム:AMZN】
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アマゾンの長期チャートです。過去20年で5回、暴落を経験しており、00年のITバブル崩壊時にはー94.4%安と大暴落しました。当時、多くの個人投資家たちはアマゾンが倒産の危機にあると報道されたことを嫌気して、アマゾン株を二束三文で投げ売りしたのです。

その後わずか二年でテンバガー(10倍)を達成したものの、二年後の05年にはー36.34%安、06年にはわずか一年間でー47.03%安と約半値に、さらに08年にはわずか一年間でー59.9%安と半値以下に暴落しました。金融危機後の2011年もー29.84%と約三割下げるなど不安定な相場が続きました。

今でこそ、アマゾンはFAAMG銘柄の一角として注目されていますが、本格的に上昇したのは15年以降で、株価が300ドルと過去最高値を更新してからでした。そのため、多くの個人投資家たちは過去最高値を更新するアマゾン株を割高だと考え、投資することを躊躇してきたのです。

では、30~50%の暴落に耐えさえすればグロース株投資は成功するかと言うと、それほど簡単な話ではありません。30~50%下げる相場では、そこからさらに10~30%ポイントの下げが予想されている場合が少なくないからです。

つまり、30~50%の暴落に耐えるということは、50~80%の下げに耐え得る忍耐力が必要なわけです。しかし、50~80%の下げに耐え、長期低迷するかもしれない高PERグロース株に投資するくらいなら、緩やかに上昇する安定株や、他に勢いのある将来有望のイケてるグロース株に長期投資した方が合理的だと考える投資家も少なくありません。

こうして、資金効率の悪さを嫌気して個人投資家はアマゾンを売り、他の有望なバイオ・グロース株などに投資して、アマゾン株による値上がり益を取り逃すわけです。

これはアップル(AAPL)でも同じことが言えます。

【アップル:AAPL】
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アップルの株価も過去20年間で6回ほど暴落しており、多くのグロース株投資家はアップルに見切りをつけて投げ売りしていました。

誰もが「iPhone」を持つようになった09年頃、アップルの株価は金融危機のあおりを受けてー58.80%安と大暴落しました。先にも言ったように、投資家心理はここからさらに下げるかもしれないと悲観的になっているので、多くの投資家がここでアップルを投げ売りしたのも理解できます。

このようにグロース株は株価が乱高下するため、過去5年のパフォーマンスは81.90%とS&P500の80.83%とほとんど変わりありません。また、多くのグロース株はその後本当にダメになったり、長期で低迷し続けていることを考えれば、一部の勝ち組銘柄だけを買い持ちすることは事実上不可能です。

もちろん、市場参加者が多ければ多いほど、たまたまアップルとアマゾンに長期保有できたという人もいるかもしれませんが、それはやはりたまたまであり、再現性の高い投資スタイルとは言えないのです。別の言い方をすれば、再現性が低いからこそ大きな値上がり益が期待できると言えるのです。

とはいえ、S&P500ETFに長期投資したところで資産が数百倍になるなんてことはありませんから、第二のアップルやアマゾンを今から探し出し、株価の乱高下を無視して長期で買い持ちし続ければ、もしかすると莫大なリターンを「偶然」手にすることができるかもしれませんよ。

グッドラック。

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