バフェット太郎(@buffett_taro)です。

投資の王道とも言われるバリュー株投資は、本質的な価値よりも割安な価格で株を買い、長期で保有するスタイルを指します。そのため、どれほど素晴らしい企業の株でも本質的な価値よりも株価が高過ぎれば最悪の結果を招きかねません。

例えば1970年代の「ニフティ・フィフティ(素晴らしい50銘柄)」相場において、将来有望としてもてはやされた人気の50銘柄の多くは、PERが80~90倍に達していました。当時、この行き過ぎた株価水準について懸念を示すような市場参加者はほとんどおらず、高成長が期待できるのだから高PERは当然だと受け止められていました。

しかし、70年代のオイルショックとともにニフティ・フィフティ銘柄は暴落し、80~90あったPERは、わずか数年で8~9倍に低下。ニフティ・フィフティのうち27銘柄が直近の高値から平均87%も暴落しました。

どれだけ素晴らしい企業だとしても、株価はいくらでも良いというわけではないのです。ちなみに、人気FANG銘柄一角で、高PERで知られるアマゾン・ドット・コム(AMZN)の予想PERは267.64倍、ネットフリックス(NFLX)の予想PERは154.48倍となっていますが、これを割高だと主張する人はほとんどおらず、アナリストの95%以上が投資判断を「中立」もしくは「買い」としています。

これがニフティ・フィフティの再来となるかどうかはわかりませんが、長期的にみれば資産の価格はやがて本質的な価値へと収れんする運命にあるので、利益が投資家の高すぎる期待に届かなければ売られるだけです。

さて、ここで多くの投資家が疑問に思うことは、「株価の本質的な価値はいくらなのか」ということです。投資尺度としてPERを参考にする人もいますが、あくまでPERは目安であり、これで本質的な価値を見抜くことはできません。
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また、そもそも論ですが、特定の方法で本質的な価値を見抜くことができるなら、誰もが簡単にお金持ちになってしまいます。しかし、それができないのは多くの投資家にとって、本質的な価値を見抜くことは不可能に近いと考えることができます。

では、本質的な価値が見抜けないなら、株を割安で買う方法はないのでしょうか。

例えば、00年のITバブル崩壊や08年の金融危機などの暴落時に、どんな株価でもとにかく売らなければならない人が溢れていましたが、この時こそが本質的な価値よりも割安な価格で買う絶好の投資機会だったのではないでしょうか。つまり、じっくりと投資タイミングを見計らった方が良いと考えることができます。

しかし、実際にそのようなことは10年に一度くらいしか起きませんから、暴落を待ち続けるのは機会損失を発生させるだけで必ずしも賢明とは言えません。

例えば、1992年、ダウ平均が3000ドルを超えて過去最高値を更新して推移していた時、当時のFRB議長グリーン・スパン氏は株式市場は割高だとの見解を示していました。しかしその後、00年にかけて株価は3倍以上上昇したことを考えると、92年に買い控えた投資家は暴落を待った結果、本来投資して得られたであろう3倍の利益をみすみす見逃したことになったのです。

つまり我々は、本質的な価値を見抜けなければ、タイミングを計ることもできないのです。そうであるならば、効率的市場仮説を信じて、概ね妥当な価格で保守的な超大型優良ディフェンシブ銘柄を買い、配当を再投資して長期で保有し続けるしかありません。

また、10年に一度の暴落でパニックになって投げ売りするのではなく、買い向かえるだけの現金と精神的な強さを身に着ける必要があります。

グッドラック。

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