バフェット太郎(@buffett_taro)です。

今年、米国株式市場は大きく上昇していますが、相場の牽引役となったのはフェイスブック(FB)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)の三社です。しかし最近、この三社に対して市場参加者の間で事業分割の可能性が囁かれており、将来のリスクが高まっています。

三社はこれまでそれぞれの市場を独占、あるいは寡占し、市場支配を強めてきました。そのため、将来有望のイケてる銘柄として多くの投資家たちから注目されており、これからもしばらく業績が拡大し続けるだろうと予想されています。

例えば、アルファベット傘下のグーグルは欧州において検索とOSで90%のシェアを握っていたり、フェイスブックとの二社だけで米国のインターネット広告シェアの約8割を占めるなど広告事業でも独占しています。さらにアマゾンは米ネット小売市場の約4割のシェアを握っています。

三社が市場の支配を強めるなか、米欧の規制当局は独占禁止法上の問題で懸念を強めており、欧州委員会はグーグルに対して約28億ドルの罰金を科すなどの対応に迫られています。

ちなみに、過去を振り返ると、IBMやマイクロソフトも独占禁止法を巡って規制当局と対立していました。

1969年、IBMは独占禁止法に基づいて米司法省から提訴されました。これは結局、司法省の訴訟取り下げによって終結しましたが、13年にわたる訴訟問題はIBMの経営を邪魔し、その間にマイクロソフトやアップルなどがIBMの支配的地位を切り崩しました。ちなみにこの13年間でS&P500指数は約20%上昇したのに対して、IBMの株価は約ー10%下落しました。
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また、98年にマイクロソフトも米連邦取引委員会(FTC)に提訴され、01年に和解が成立しました。この時、分割という事態は免れたものの、98年から14年までの株価上昇率は約+18%とS&P500指数の約+62%を大幅に下回る結果となりました。ちなみに、競合の米オラクル(ORCL)や独SAPは株価が約3倍上昇しました。

フェイスブック、アルファベット、アマゾンにとっての問題は、実際に分割されるかどうかではなくて、長期にわたる訴訟が泥沼化して経営の邪魔をしないかどうか。そして、将来のリスクが懸念されてPERの低下を招くことです。例えば、IBMのPERは69年の53倍から82年に10倍に低下し、マイクロソフトは01年の27倍から14年に14倍まで低下しました。

つまり当時、IBMは13年間、EPSを年率平均12.8%で成長させてきたのにも関わらず、株価はー10%下落したのです。それだけPERは株価に与える影響が大きいのです。

フェイスブックのPERは27倍、アルファベット25倍、アマゾン124倍であることを考えれば、アマゾンが最も低下する余地が大きいです。そのため、政府との対立が長引く間に競合にシェアを奪われ、さらにPERが低下し続ければ、IBMやマイクロソフトのように、長期で市場平均をアンダーパフォームする可能性があります。

グッドラック。

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