バフェット太郎(@buffett_taro)です。

米小売最大手のウォルマート・ストアーズ(WMT)が第3四半期決算を発表しました。内容は良かったです。

EPSは予想0.97ドルに対して、結果1.00ドルと予想を上回りました。

売上高は予想1210億ドルに対して、結果1231億8000万ドルと予想を上回りました。

通期の予想EPSは旧ガイダンス4.30~4.40ドルに対して、新ガイダンス4.38~4.46ドルと上方修正されました。

ウォルマートUSの既存店売上高は2.7%増でした。これは金融危機後の過去8年間で最も高い伸び率となりました。また、これで13四半期連続の増収を達成しました。

ウォルマートUSの既存店客数は1.5%増でした。これで12四半期連続でプラスです。

ウォルマート・ドットコムの売上高は前年同月比+50%増でした。これは前期の+60%増から鈍化したものの、依然として高い成長率を維持しています。

ウォルマート・ドットコムが急拡大している背景には、35ドル以上の買い物をすることで年会費無料で二日以内に配送してもらえるサービス、「無料二日間シッピング」の他、顧客がインターネット経由で注文した商品を、自分で店舗に受け取りに行くことで送料分割引されるサービス「ウォルマート・ピックアップ・ディスカウント」などが寄与しました。

【ウォルマート・ストアーズ:WMT】
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予想を上回る決算を好感して、株価は前日比+10.90%高の99.62ドルと暴騰しました。また、過去二年で+87%高と大きく上昇しています。

ウォルマートは一時、アマゾン・ドット・コムの躍進を受けて2015年に150店舗余りを閉鎖に追い込まれるなど苦しんでいた時期もありましたが、その後、ネット通販関連の投資に経営資源を集中させ、昨年はジェット・ドット・コムを33億ドルで買収したほか、ネット通販を手掛ける中小企業をいくつも買収したことでネット通販売上高が急拡大、既存店売上高もネット通販との相乗効果で拡大しました。

アマゾンはこれまで、店舗と店舗従業員を持たないことで固定費を削減し、価格に反映させて急成長してきました。また、アマゾンはネット通販業界の参入障壁を高くするため、わざと赤字になるような価格設定をしていました。そのため、追随できるライバル業者はおらず、その地位を不動のものにすることに成功したのです。

ところが、ここに来て店舗と店舗従業員を大量に持つウォルマートが、それを武器にして攻勢を仕掛けています。ネット通販業界は「ラスト・ワンマイル」を誰が制するのかということに注目しているのですが、米人口の90%に対して10マイル(16㎞)以内に1店舗を構えているウォルマートがその「ラスト・ワンマイル」を制するのに最も近い存在だと言われているのです。(ウォルマートは店舗従業員が帰宅する際、帰り道のついでに顧客に商品を届けてもらうなどの実験もしています)。

また、ウォルマートの小売売上高はアマゾンの4倍余りあるため、メーカーなどの供給業者や既存の物流網に大きな影響力を持っています。

そのため、米国のネット通販業界は今、王者アマゾンの牙城が切り崩されるのではないかと注目されているのです。さらにアマゾンの投資家にとって心配なことは、アマゾンがネット通販事業でほとんど利益を上げていないにも関わらず、ウォルマートは着実に利益を上げていることです。

これまで投資家はアマゾンの成長と夢を信じて赤字経営を許してきました。しかし、永遠に続く成長などないことを考えれば、いずれアマゾンの成長が止まり、投資家が赤字経営を容認できなくなった時、高PER株のアマゾンは叩き売られてしまうかもしれませんね。

グッドラック。

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