バフェット太郎です。

2015年のNYダウ株式市場の年間パフォーマンは407ドル安(-2.28%)の17425ドルと、7年ぶりに下落しました。これは米連邦準備理事会(FRB)が9年半ぶりに利上げに動いたことや、原油価格の下落により、エネルギー株が売られたこと、そしてドル高によるグローバル企業の収益圧迫が要因です。

今年の原油価格見通しですが、ぼくは底打ちし、じわじわと回復すると見ています。その理由は、現在の需給緩和(供給過剰)状態が少しずつ是正されているからです。原油価格下落の最大の要因は、シェールオイルの増産による供給過剰問題にありました。しかし、昨年の10月をピークにシェールオイルを掘削するリグ数が減少しており、減少幅は67%程度にまで落ち込みました。こうしたことから、需給緩和状態が少しずつ是正されており、将来の原油価格見通しにマーケットは楽観的になると思うからです。

原油価格が反発すれば、リグが再稼働されて再度、供給過剰状態に戻るのではと思う人がいるかもしれませんが、その可能性は低いと思います。なぜならシェールオイル生産の現場ではカンニバライゼーション(喰い合い)が起きているからです。
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ここでいうカンニバライゼーションとは、例えば、シェールオイルを掘削する採掘コストの高いリグAと採掘コストの低いリグBがあるとします。原油価格の下落で、採算の合わないリグAの操業を停止してリグBだけを操業します。するとリグBのドリルなどの消耗部品が段々使い物にならなくなります。そこで新たに部品を調達するのではなく、リグAのドリルや消耗部品をリグBに付け替えるのです。こうすることで、新たな費用をかけずにリグBを操業することができます。しかし、リグAは部品がなくなり骨組みだけになりますので、すぐに再稼働できなくなるというわけです。こうしたことから、原油価格が反発してもすぐに供給過剰状態に戻らないと考えています。

ちなみに世界最大級の石油開発支援メーカー、シュルンベルジェ(SLB)は今年の1-3月期決算でたくさんの独立系石油探査会社が倒産すると予想しています。シュルンベルジェは業界の内情を誰よりも知っている会社なので、その可能性はかなり高いと思います。そして、その倒産ニュースは「買い」のサインです。気を付けなければならないのは、欲をかいて財務体質の脆弱な企業を選ばないことです。財務体質の良い銘柄の代表格はエクソン・モービル(XOM)です。

XOMは財務体質が良いため、原油価格が急落する昨今、大手メジャーでは唯一投資計画を変更していません。また、同社は32年連続で増配を続けており、配当性向は35.6%と余力は十分にあります。
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