バフェット太郎(@buffett_taro)です。

多くの投資家にとって、S&P500種指数に連動するインデックスファンドやETFに投資することが最も賢明な選択であることは否定しないけれど、パッシブ運用が唯一無二の完璧な投資対象というわけではありません。

なぜならパッシブ運用が、右肩上がりの強気相場が続くことを前提にデザインされているためであり、仮に右肩下がりで下落し続ける弱気相場では、もれなく全員が損をするようにデザインされているからです。

実際、1966年2月1000ドルだったダウ平均は、1982年になっても800ドルを割り込む場面があるなど弱気相場が続いたので、パッシブ運用者の値上がり益はほとんどゼロかマイナスだったのです。

では、なぜパッシブ運用がこれほどまでに注目され、称賛されるようになったのでしょうか。

これは1982年以降、債券利回りが低下し、株式にとって極めて有利な状況が30年以上も続いているからです。

【米10年債利回り:1962ー2017】
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(出所:FRED

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そもそも債券利回りと株式は競争関係にあります。例えば、債券への投資で高利回りが期待できるなら、わざわざリスクの高い株式に投資するよりも、安全資産の債券に投資して高利回りを享受した方がはるかに賢明だと考えられます。そのため、米10年債利回りが高騰した60年代から80年代にかけて、株式市場から投資資金が流出し、ダウ平均は低迷しました。

しかし、82年になると一転して債券利回りが低下し、株式市場に投資資金が還流し始めました。これは、金利が低下する中で債券の魅力がなくなり、相対的に株式市場の魅力が増したためです。

こうした時代背景がパッシブ運用に追い風となり、インデックスファンドが称賛されるようになったのです。

別の言い方をすれば、インデックスファンドの創始者でバンガード・グループの創業者ジャック・ボーグルもまた、時代の波にたまたま乗っただけと言えるのかもしれません。

そもそもボーグルはアクティブファンドのウェリントン・マネジメントで社長にまで出世したものの、買収・合併の失敗で莫大な損失を出し、取締役会でクビになりました。その後、ミューチュアル・ファンドの法的制約のせいで、別の取締役会管轄下で、ウェリントン・ファンド会長に就任するも、アクティブ運用を禁止されたのです。

結果、仕方なく始めたパッシブ運用のバンガードが大成功したので、彼がたまたま時代に波に乗ったのもあながち間違いではありません。

さて、パッシブ運用の未来ですが、仮に金利の上昇が続くようなら、株式から投資資金が流出し、債券に流入するということは十分に考えられます。とはいえ、現在の米10年債利回りは2%台と依然として低水準であり、相対的に債券の魅力が増すのは5~6%を超えてからであることを考えれば、パッシブ運用者はまだしばらく安心していいと思います。

グッドラック。

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