これからバフェット流バリュー株投資をはじめたい人は次のようなステップを踏みながらポートフォリオをつくることをお勧めします。

STEP1:銘柄数の決定
STEP2:景気循環別、銘柄数の決定
STEP3:個別銘柄の決定

本エントリーでは、「STEP3:個別銘柄の決定」について説明します。

「STEP1:銘柄数の決定」では、8~16銘柄に分散投資することを推奨しました。
「STEP2:景気循環別、銘柄数の決定」では、「好況」1:「後退」1:「不況」4:「回復」2といったように、「不況」局面に強いディフェンシブ銘柄中心で構成しながら、それ以外の景気局面に偏らないポートフォリオを推奨しました。

「STEP3:個別銘柄の決定」
バリュー株投資には、バリュー株投資に相応しい銘柄というものがあります。巷では、バフェット本を読み漁った投資家が、バフェット流と称して日本の中・小型株に投資する光景をよく目にします。ハッキリ言って、それはバフェット流バリュー株投資でもなんでもないです。

バフェット流バリュー株投資に相応しい銘柄とは、ダウ30種やS&P100(ないしは500)に選ばれるような、ごく一握りの銘柄に限ります。2016年1月現在のダウ30種は以下の通りです。

「好況」
ボーイング(BA)、キャタピラー(CAT)、デュポン(DD)、ウォルト・ディズニー(DIS)、ゼネラル・エレクトリック(GE)、ホームデポ(HD)、マクドナルド(MCD)、スリーエム(MMM)、ナイキ(NKE)、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)

「後退」
シェブロン(CVX)、エクソン・モービル(XOM)

「不況」
ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、コカ・コーラ(KO)、メルク(MRK)、ファイザー(PFE)、プロクター&ギャンブル(PG)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、ウォルマート・ストアーズ(WMT)

「回復」
アップル(AAPL)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、シスコシステムズ(CSCO)、ゴールドマン・サックス(GS)、IBM(IBM)、インテル(INTC)、JPモルガン・チェース(JPM)、マイクロソフト(MSFT)、トラベラーズ(TRV)、ユナイテッド・ヘルス(UNH)、ビザ(V)

この他にも、ダウ30種には採用されていないけれどS&P100に採用されているバリュー銘柄があります。例えばディフェンシブ銘柄にあたる生活必需品銘柄では、ペプシコ(PEP)、フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)、アルトリア・グループ(MO)、モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)、コルゲート・パルモリーブ(CL)などがそれです。(断っておきますが、S&P100に採用されている全ての銘柄がバリュー銘柄というわけではありません。)

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このような銘柄群の中から、消費者の生活に馴染みがあり、長年愛されているブランドを保有する企業の株を買うのが典型的なバフェット流バリュー株投資です。実際、バークシャー・ハサウェイ(BRK.B)が大きく投資しているウェルズ・ファーゴ(WFC)やクラフト・ハインツ(KHC)、コカ・コーラ(KO)、アメリカン・エキスプレス(AXP)、フィリップス66(PSX)などは、消費者に愛されるブランドを持っています。そしてそのブランド力を背景に、安定的・永続的なキャッシュフローを生み出しています。

一方で、バフェット流バリュー銘柄とは、誰もが知っている銘柄ですから、自信過剰バイアスに支配されて(自分は他の投資家よりも優れていると思って)いる初心者投資家は、これらの銘柄を持つことをダサいと考えます。そのため、バフェット流バリュー株投資と称して、日本のわけのわからない(誰も知らない)ような中・小型株に対して、値上がり益を期待したグロース株(あるいはモメンタム株)投資をするのです。

当然、米国超大型株より日本の中・小型株の方がリターンが高いですが、それはバフェット流バリュー株投資でもなんでもないです。バフェット流バリュー株投資の基本はS&P100(ないしは500)から、地味で退屈な大型株を選ぶものなのです。
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