バフェット太郎です。

米IT大手のIBMが第4四半期決算を発表しました。内容はまちまちでした。

EPSは予想5.17ドルに対して、結果5.18ドルと予想を上回りました。

売上高は予想220億6000万ドルに対して、結果225億4300万ドルと予想を上回りました。

2018年通期のEPSは予想13.87ドルに対して、ガイダンス13.80ドルと予想を下回りました。

売上高は23四半期(約6年)ぶりの増収に転じたものの、18年の通期EPS見通しが予想を下回ったことで、「復活への出口はまだ先にある」との見方から株価は前日比ー3.99%安と急落しました。

【IBM:日足】
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業績の牽引役は「システム部門」で前年同期比+32%の増収でした。汎用機器の更新時期にはまって、新型汎用機器の販売が好調だったことに加えて、仮想通貨の基盤向け需要も膨らんだことが寄与しました。

とはいえ、大幅な増収は一時的な要因であることに加えて、IBMにとって「システム部門」は売上高全体の10%程度を占める程度で重要度の低い分野なので、好材料というわけではありません。

IBMにとって重要度の高い部門は「コグニティブ・ソリューションズ部門」で、粗利益率は79%と高く、売上高全体の23%を占めています。こちらは前年同期比+2.5%の増収でした。ただし、粗利益率は16年通期の81.9%から17年通期78.6%と落ち込んでいることから、競争力が低下していると考えられます。

また、全部門の粗利益率も16年通期の47.9%から17年通期45.8%と落ち込んでいるため、投資家は今回の決算に失望しています。

【各部門の売上高】
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前期比で上昇したのは売上高全体の23%を占め、粗利益率79%の「コグニティブ・ソリューションズ部門」と、売上高全体の10%を占め、粗利益率53%の「システム部門」でした。

一方で売上高全体の20%を占める、粗利益率25%の「グローバル・ビジネス・サービス部門」は2%の減収、売上高の43%を占め、粗利益率40%の「テクノロジー・サービス&クラウド・プラットフォーム部門」は3%の減収でした。

また、IBMが最重要視している「戦略的必須分野(アナリティクス、クラウド、モバイル、セキュリティ、ソーシャル)」は前年同期比14%増と二桁増でした。また、売上高全体に占める割合は46%と前期の41%から上昇しました。投資家から注目されているクラウドは27%増と大きく上昇しました。

ただし、IBMのクラウドビジネスのシェアは5%未満と、三割強のアマゾン・ドットコム(AMZN)や一割強のマイクロソフト(MSFT)との差は依然として大きいです。さらに、この両社はAIやデータベースをクラウド経由で提供する戦略を加速させており、これまでIBMの上客でもある大企業や政府機関に構成をかけています。

そのため、IBMが18年通期のEPS見通しを13.8ドルと前期から横這いにしたことは、投資家の懸念が少なくとも間違いではないことを裏付けました。

先日、バークレイズがIBMの投資評価を「アンダーウェイト」から「オーバーウェイト」に、目標株価を133ドルから192ドルへと大幅に引き上げ、「最悪期が過ぎ去りつつある」との見方を示しましたが、今回の決算を見る限りでは、やや楽観的な見方かなという印象です。

【営業キャッシュフロー】
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とはいえ、本業の儲けを表す営業キャッシュフローは167億2400万ドルと安定しているので、投資家は過度に悲観的になる必要もありません。バフェット太郎のように配当再投資を戦略とする投資家は淡々と再投資していくだけです。

グッドラック。

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