バフェット太郎です。

米10年債利回りの急騰を発端とした米国発世界同時株安はやや落ち着きを取り戻しつつありますが、3月のFOMC(連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備理事会)が利上げをすることがほぼ確実ですから、金利の上昇は抑えられません。

これまでの低金利時代において、多くの米国企業は配当や自社株買い、買収のために積極的に借り入れをしてきました。ただし、金利が上昇すれば多くの企業が「これ以上負債を増やすことを避けよう」と考えるため、自社株買いや買収に対して消極的になります。

しかし、配当だけは別です。配当を減配すれば株価に対してマイナスの影響を及ぼすだけでなく、経営失格の烙印を押されることに他ならないため、経営陣は一度引き上げた配当をなかなか引き下げることはできないのです。結果、金利が上昇する中で、経営陣にとって配当を原資としたフリーキャッシュフロー(純現金収支)が最も重要なものになります。

そもそもフリーキャッシュフローとは、本業の儲けを表す「営業キャッシュフロー」から設備投資額を表す「投資キャッシュフロー」を差し引いたものです。

さて、このフリーキャッシュフローが多ければ多いほど経営の自由度が増し、投資家は持続的な配当や自社株買いを通じて株主利回りを高めることができます。そこで、ダウ平均構成銘柄30種の中で特にフリーキャッシュフロー利回りの高い銘柄、上位10銘柄を紹介します。

【フリーキャッシュフロー利回り上位10銘柄】
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(※FCFPS=一株当たりのフリーキャッシュフロー)

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フリーキャッシュフロー利回りが最も高い銘柄はアメリカン・エキスプレス(AXP)で、第二位にトラベラーズ(TRV)、そして第三位にIBMが続いています。

上位三銘柄は自社株買いに積極的という点で共通していて、その背景には潤沢なフリーキャッシュフローと割安に放置されやすい株価が要因に挙げられるようです。

★★★

米国経済はこれまでの低金利時代から脱し、FRBによる段階的な利上げが予想される中で、株式市場が調整局面を迎えるのではとの懸念が高まっています。こうした中で割安になっている自社株を買い戻したり、配当を再投資したりすることができるのは、潤沢なフリーキャッシュフローが期待できる企業だけです。

ちなみにフリーキャッシュフロー利回り最下位銘柄はゼネラル・エレクトリック(GE)でした。ゼネラル・エレクトリックはフリーキャッシュフローがマイナスに陥っており、配当は半減、当然自社株買いをする余力もありません。

これではせっかく割安になっているGE株を十分に再投資することができませんし、自社株買いによるEPSの下支えも見込めません。そのため、投資家は自分で投資資金を用意して割安になったGE株を買い増すべきなのですが、クソダサい投資家ほど恐怖に怯えて絶好の投資機会を棒に振りそうです。

グッドラック。

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