バフェット太郎です。

12日のNYダウ株式市場は前日比+293.60ドル(+1.21%)高の2万4483.05ドルと大きく反発して取引を終えました。企業決算への期待が高まっていることに加えて、地政学的リスクへの懸念が後退したためです。

トランプ大統領はツイッターで、「(アサド政権を標的にした)軍事攻撃は、まもなくかもしれないし、それほど近くないかもしれない」と投稿したことで、米10年債利回りは急騰し、金利上昇の恩恵を受けると見られる金融株が軒並み買い戻されました。

JPモルガン・チェース(JPM)は+2.49%高、ウェルズ・ファーゴ(WFC)は1.48%高、バンク・オブ・アメリカ(BAC)+2.51%高でした。また、この日第1四半期決算を発表した資産運用大手のブラックロックも+1.47%高でした。利益が予想を上回ったためです。

ブラックロックの決算は以下の通りです。

EPSは予想6.40ドルに対して、結果6.70ドルと予想を上回りました。

売上高は予想34億ドルに対して、結果35億8000万ドルと予想を上回りました。

ブラックロックの運用資産は6兆3000億ドルにも上り、世界最大の資産運用会社です。同社は09年12月、金融危機で自己資本不足に陥っていた英金融大手バークレイズの資産運用部門バークレイズ・グローバル・インベスターズを買収し、同社のETFブランド「iシェアーズ」を獲得したことで、パッシブ運用部門を強化しました。

【パッシブファンドとアクティブファンドへの資金流出入】
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(出所:ウォールストリート・ジャーナル

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上のグラフを眺めると、2010年以降、アクティブファンドから大量の投資資金が流出している一方、その投資資金がパッシブファンドへ大量に流入していることが確認できます。世界の投資家たちが金融危機後、こぞってパッシブファンドを選好したことでブラックロックの業績は成長しました。

ETF市場はブラックロックの「iシェアーズ」とバンガードグループの「バンガード」の二強になっていますが、それぞれのS&P500ETFの時価総額は「iシェアーズ」が1536億ドル、「バンガード」が887億ドルで、「iシェアーズ」の方が時価総額が二倍と大きく、流動性も高いため、機関投資家から選好されています。

ただし、今回の決算発表で「iシェアーズ」への純資金流入が鈍化していることが明らかになりました。純資金流入は346億ドルで、これは前年同期比ー46%減と半減しました。

【ブラックロック、ETFへの資金流入の推移】
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(出所:ブルームバーグ

ETFへの資金流入が鈍化している背景には、18年以降、ボラティリティ(変動率)が高まっていることが挙げられます。通常、ETFはボラティリティの低い強気相場に強いので、2017年はまさにパッシブファンドに追い風が吹いていたと言えます。

しかし、18年以降、これまでの強気トレンドが曲がり角に来ており、ボラティリティの高いギクシャクした相場展開が続いています。こうした状況においてはアクティブファンドが選好されやすいことから、パッシブファンドへの資金流入は鈍化してしまうというわけです。

とはいえ、長期的に見ればS&P500ETFへの投資が多くの個人投資家にとって最適解であることには変わりないので、短期的な投資資金のトレンドに惑わされず、長期投資家は自信を持って買い持ちしていれば大丈夫です。

グッドラック。

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