バフェット太郎です。

米タバコ最大手のアルトリア・グループ(MO)が第1四半期決算を発表しました。内容はまちまちでした。

EPSは予想0.92ドルに対して、結果0.95ドルと予想を上回りました。

売上高は予想46億2000万ドルに対して、結果46億7000万ドルと予想を上回りました。

18年通期EPSは予想3.98ドルに対して、ガイダンス3.90~4.03ドルが提示されました。

アルトリアは第1四半期に約800万株の自社株買いを実施しました。平均購買価額は64.33ドルで費用は5億1300万ドル(約560億円)でした。

【アルトリア・グループ:日足】
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アルトリアの主力ブランドである「マールボロ」の出荷量は前年同期比ー4.2%と低迷し、市場シェアは43.2%と前年同期43.7%から0.5ポイント低下しました。

アルトリアのすべてのタバコブランドを含めた出荷量は前年同期比ー4.2%と低迷し、市場シェアは50.3%と前年同期の51.0%から0.7ポイント低下しました。

出荷量の低迷と市場シェアの低下を嫌気して、株価は前日比ー2.26%安と急落しました。とはいえ投資家はアルトリア株に悲観的になる必要はありません。

【経営成績】
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アルトリアの業績は売上高、営業利益、純利益ともに右肩上がりで拡大していることが確認できます。

タバコ株への投資に悲観的な人の中には、「なぜ、出荷量と喫煙率が低迷する中で業績が拡大するのか」と疑問に思っている人は少なくないと思いますが、これは単純にタバコ価格を引き上げているからに他なりません。

そもそも売上高とは「数量」と「価格」に分解することができるので、「数量」が低下するなら「価格」を引き上げてやれば「売上高」は維持されます。

当然、「価格」を引き上げれば「数量」はさらに減少する可能性もありますが、タバコに依存症の原因とされる「ニコチン」が含まれていること、そして「マールボロ」など強力なブランドを保有していること、さらに業界への参入障壁が高いことなどの要因があるため、「価格」を引き上げても「数量」が激減することなく売上高を成長させることができるんです。

【EPS:BPS:DPS】
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16年にEPS(一株当たりの利益)が急騰していることがわかると思います。

これは当時アルトリアが保有するSABミラーの株式をアンハイザー・ブッシュ・インベブ(BUD)に現金と株式交換を組み合わせて売却したためです。

ビール世界シェア一位のアンハイザー・ブッシュ・インベブは同業二位のSABミラーを買収したことで、約三分の一のシェアを占めることになりました。

さらにこの買収で株式交換にも応じたアルトリアはアンハイザー・ブッシュ・インベブ株全体の9.5%を保有することになり、今年は約7億7000万ドル(約840億円)もの配当収入が見込めます。これはアルトリアの純利益の約一割を占める額になります。

さらにアンハイザー・ブッシュ・インベブの株価が上昇し、配当も増配すれば、アルトリアのEPSとBPS(一株当たりの純資産)はさらに拡大することが予想されます。

【キャッシュフローの推移】
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本業の儲けを表す営業キャッシュフローが景気に左右されず、安定して黒字を達成していることが確認できます。

ちなみに09年と10年に営業キャッシュフローが低迷した背景には、米国外部門のタバコ事業フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)をスピンオフしたためです。

タバコ事業はこれ以上の投資が必要ないため、フリーキャッシュフロー(純現金収支)は潤沢です。そのためアルトリアは潤沢なフリーキャッシュフローを株主に配当や自社株買いとして還元しています。

従って、投資家は配当を再投資することで将来のリターンを最大化することが期待できるので、短期的な株価の急落で株を売るのではなく、むしろ積極的に買い増すことが賢明です。

グッドラック。

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