バフェット太郎です。

個人投資家の中にはアマゾンのような一握りの優良グロース株に集中投資して長期で保有することが最適解だと考えている人も少なくありません。しかし、誰にもそれができなかったことを考えると、そうした投資戦略は机上の空論だということがわかります。

たとえば、冷静になって思い出して欲しいんですけれども、今から5年前の2014年に「アマゾンに長期投資すれば億万長者になれる」と考える投資家はほとんどいませんでした。なぜなら、アマゾンの株価は14年1月から11月にかけて、最大30%も暴落したからです。

【アマゾン・ドットコム:2013.7-2014末】
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【アマゾン・ドットコム(AMZN)の経営成績:2008ー2014】
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当時、アマゾンの利益は右肩下がりで低迷したいたため誰も強気になれなかったのです。また、四半期決算では13年第4四半期から14年第3四半期にかけての4四半期において、一度もEPSが予想を上回ることができなかったのです。

ちなみに、2014年のS&P500種指数はおよそ20%上昇し、好調に史上最高値を更新していました。

【S&P500種指数:2013.7-2014末】
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さらに、当時投資家の注目を集めていたギリアド・サイエンシズ(GILD)の株価はわずか一年半で二倍以上上昇しました。

【ギリアド・サイエンシズ(GILD)2013.7-2014末】
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【ギリアド・サイエンシズ(GILD):2008ー2014】
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ギリアド・サイエンシズの株価が好調だった主な理由は、C型肝炎治療内服薬の「ソバルディ」と「ハーボニ」が成長を牽引したためです。

この時、多くの個人投資家はギリアド・サイエンシズに投資するだけで億万長者になれると信じていたので、誰も市場平均を下回るアマゾンに投資しようなどとは思わなかったのです。

しかし、15年以降、アマゾンはクラウド事業で大成功し、ギリアド・サイエンシズは高額薬価の値下げ圧力や市場の競合激化で業績が悪化したことで明暗が別れました。

もちろん、誰もこんなことになるなんて思っていませんでしたから、「ギリアド・サイエンシズに投資してあとは気絶してるだけで億万長者になれる」とマヌケなことを言っていたクソダサい投資家たちは気絶したまま凍死家になってしまったし、アマゾンを狼狽売りしてしまった投資家は後悔の念に苛まれることになりました。

こうしたことから、5年前に投資家がアマゾンに集中投資することなどできるはずがないのです。そのため、アマゾンのような一握りの優良グロース株に集中投資して長期で保有することが最適解だと信じている個人投資家は、ただの経験の浅い未熟な投資家だということがわかります。

グッドラック。

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