バフェット太郎です。

米電気自動車大手テスラ(TSLA)のイーロン・マスクCEOが著名投資家ウォーレン・バフェット氏にかみつきました。

ことの発端となったのは、テスラの第1四半期決算でマスク氏が「モート(堀)は時代遅れで、重要なのはイノベーションのペースだ」と指摘したことです。

かねてからバフェット氏は強いブランド力をモート(堀)に例えていて、「優れた企業は競合他社の参入を防ぐモートを持っている」と述べていました。

バフェット氏はマスク氏の指摘に対して、「確かにイノベーションのペースが速まって多くの企業が競争に対して脆弱になりつつあるが、モートという考えを完全に否定する時がきたわけではない」と反論し、バークシャー傘下でチョコレート菓子販売のシーズ・キャンディーズを引き合いに「イーロンは一部の分野で常識を覆すかもしれないが、キャンディーの販売で我々に挑みたいとは思わないだろう」と述べました。

さて、バフェット氏は強力なモートを持つ優良企業としてアップル(AAPL)の株式を大量に買い増したばかりですが、投資家はモートがあるかないかをどのように見極めればいいのでしょうか。

結論から言えば、モートで囲まれているかどうかはキャッシュフロー・マージン(=営業CF÷売上高)が15%を超えているかどうか、そして長期にわたってそれを維持しているかどうかでわかります。

企業の事業がモートで囲まれていれば、競合の攻勢から身を守ることができ、他社がその市場に参入することを未然に防ぐことができます。そして企業はモートで守られることでかなり強い価格決定力を持てるため、永続的に安定したキャッシュフローを稼ぐことができます。

例えば、アップルのキャッシュフローとキャッシュフロー・マージンの推移は以下の通りでした。
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【アップル:AAPL】
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キャッシュフロー・マージンが20%を超えていることから強力なモートを持っていることがわかります。また、モートの維持に多額の設備投資が必要ないことも投資家は注意しなければなりません。

アップルのように投資キャッシュフローが小さければ、莫大なフリーキャッシュフローを生み出すことができ、これが配当や自社株買いを通じて株主に還元されることで、投資家は資産を最大化することができるからです。

シーズ・キャンディーズも同様にほとんど設備投資を必要としません。同社の2015年の営業利益は19億ドルに対して設備投資額はわずか4000万ドルと、営業利益に対する設備投資の比率はわずか2.1%にすぎません。

バフェット氏はこのようなモートを持つ企業に集中投資することで莫大な富を築きあげたのです。

さて、マスク氏はバフェット氏の反論に対して、キャンディー事業を立ち上げると述べました。この発言が皮肉なのか真剣なのか、その真意は定かではありませんが、仮にイノベーションの費用として莫大な設備投資額が必要となったり、仮想通貨に関連する事業となるなら、投資家は単なるギャンブルに付き合わされるだけで投資妙味はありません。

グッドラック。

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