バフェット太郎です。

米労働省が5月の雇用統計を発表しました。内容は良かったです。

非農業部門就業者数は予想19万増に対して、結果22万3000人増と予想を大きく上回りました。

失業率は予想3.9%に対して、結果3.8%と0.1ポイント低下しました。これは2000年4月以来18年ぶりの低水準です。

平均時給は前月比予想+0.2%に対して、結果+0.3%と予想を上回りました。

また、前年同月比では予想+2.6%に対して、結果+2.7%と予想を上回りました。

やむなくパートタイム職に就いている人や職探しを諦めた広義の失業率は7.6%と前月の7.8%から0.2ポイント低下しました。

非農業部門雇用者数が増加するのは7年8カ月連続で過去最長記録を更新しました。

【失業率と広義の失業率の推移:2000ー2018】
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(出所:ウォールストリート・ジャーナル



企業が人手不足に悩んでいる中、非農業部門雇用者数は22万3000人増と予想を大きく上回る数字が出てきました。

本来、企業が人手不足に悩んでいるのなら、雇用者数はもう少し少なくてもいいはずです。(だって雇用者数が足りなくて悩んでるんだから。)しかし、それが22万3000人増という強い数字が出てきたということは、企業側はそれ以上の30万人くらいの応募をしていたことになります。これは極めて強い需要ですから、米国経済が堅調だということがわかります。

しかし、雇用の内訳を眺めると米国の労働市場が抱えている問題も見えてきます。
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【人種別】
  4月 5月 前月比
白人 3.6% 3.5% -0.1
黒人 6.6% 5.9% -0.7
アジア 2.8% 2.1% -0.7
ヒスパニック 4.8% 4.9% 0.1

人種別の失業率は黒人とアジア人で大きく低下した一方、白人とヒスパニックはほぼ横ばいでした。

【学歴別】
  4月 5月 前月比
高卒未満 5.9% 5.4% -0.5
高卒 4.3% 3.9% -0.4
大学中退 3.5% 3.2% -0.3
大学卒 2.1% 2.0% -0.1

学歴別の失業率は低学歴ほど失業率が低下したことがわかります。

また、職種別では建設や小売り、物流・倉庫、介護など、比較的学歴の低い人たちの多い職種で雇用が増加した一方、比較的学歴の高い人たちの多い専門的で高度な職種では雇用が鈍化したことから、雇用の伸びは低学歴を中心に拡大したことがわかります。

言い方を変えれば、低学歴を中心に雇用が拡大したからこそ、平均時給が伸び悩んでいるわけです。

FRBのインフレ目標2%を達成するためには、平均時給は+3%の伸びが必要だと言われているので、今回の時給の伸びが+2.7%であることを考えると、今後は時給の高い高度な専門職で雇用が拡大しているかどうかに注視する必要があります。

グッドラック。

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