バフェット太郎です。

個人投資家の中には暴落を虎視眈々と待っている人も少なくないと思います。これは多くの個人投資家にとって「株は安く買って高く売るもの」であることを考えれば当然かもしれません。

では、彼らは株価が一体どれくらいの水準まで暴落したら買い出動するのでしょうか。

【ダウ平均:2013ー2018】
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チャートは過去5年チャートです。チャートを眺めると、ダウ平均は15年から16年にかけて200日移動平均線をターゲットに暴落しました。

当然、後になって考えれば、「200日移動平均線で買えばいいじゃん」とわかるわけですが、200日移動平均線を割り込むこんで低迷することを考えれば、必ずしも「買い」と判断できるわけではありません。

【ダウ平均:2007ー2012末】
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たとえば、08年5月に200日移動平均線水準である1万1500ドルで買い向かえば、その後約一年かけて資産は半値近くまで暴落したことになります。

もちろん、後になって考えれば、その200日移動平均線を無視して09年の底値で買えばいいと思うかもしれませんが、当時、ほとんどの投資家たちは未曾有の金融危機に発展するとは想像もしていなかったので、それは無理な話です。

それでも現在のダウ平均2万4600ドルであることを考えれば、08年5月の1万1500ドルで買えば二倍以上になった計算になりますから、規則正しく200日移動平均線まで待てばいいと強がる人もいるかもしれません。しかし、そうした考えも長期的に見れば危ないことがわかります。

【ダウ平均:1990ー2001末】
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1990年1月から01年12月末までの12年間において、200日移動平均線をつけたのは90年と01の二回だけです。たとえば、90年の2344ドルで一度株を大きく買ったら、11年後の01年9500ドル水準までずっと買い増すタイミングがなかったということになります。

これでは堅実に積立投資ができる用意のある個人投資家にとって、必ずしも資産を最大化させてくれる投資ルールにはなり得ません。そのため、あまり行き過ぎた暴落を待つのも問題です。

では、50日移動平均線で株を買い増すというルールならどうでしょうか。これも必ずしも賢明な投資ルールとは言えません。なぜなら、その50日移動平均線でどれくらいの額を買い増すのが正しいのか誰にもわからないからです。
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【ダウ平均:1994ー1996末】
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たとえば、95年1月の3800ドル以降、50日移動平均線に達するのは一年半後の96年7月(5170ドル)です。仮に毎月5万円積立できるとすれば、90万円の積立投資をすることができるわけですが、このタイミングで90万円すべて買い増すべきでしょうか。それとも半分の45万円にとどめておくべきでしょうか。

あるいは、85年から10年間続いた強気相場はまもなく終わり、200日移動平均線まで暴落すると予想して、とりあえず三分の一の30万円だけ投資するべきでしょうか。

【ダウ平均:1996ー2001末】
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その後も4年間にわたって強気相場だったことを考えると、50日移動平均線で全額買い増した選択が最も賢明で、200日移動平均線をまって買い控えた投資家は01年の9500ドル水準まで待ち続けることになりました。これは96年7月の5170ドルから約二倍の水準であることから、待ちすぎることはよくないことがわかります。

では、50日移動平均線でそれまで積み立てた分を全額買い増すことが最も賢明な方法なのでしょうか。

【ダウ平均:2016-2018】
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過去二年間を振り返ると、50日移動平均線を待つというルールは必ずしも賢明とは言えません。

なぜなら、16年6月の1万7063ドルを最後に、その後二年間一度も50日移動平均線をつけていないからです。仮に毎月5万円の積立ができる個人投資家なら120万円もの現金を保有していることになりますし、もう二度と2万ドルより下で買い増すことができない可能性があることを考えると、50日移動平均線すら待つという選択は間違っていると言えます。

結果的にいつ投資を始めるのかは個人投資家の運の要素が強く、一概にどのタイミングが良いかとは言えません。従って、こうした運の要素を消すためにも、毎月一定額の積立投資を実践した方が賢明です。

グッドラック。

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