バフェット太郎です。

小売り世界最大手のウォルマート(WMT)の株価が前日比+2.93%高の85.42ドルと急騰しました。これはウォルマートが海外戦略見直しの一環として、苦戦しているブラジル事業子会社のおウォルマート・ブラジル株の80%を米投資ファンドのアベント・インターナショナルに売却すると発表したためです。

これに先駆けて、ウォルマートは英スーパーのアズダを同業他社に売却すると発表した一方、インドのネット通販大手フリップカートの買収を決めています。

つまり、ウォルマートは今、経営資源を不採算事業から引き揚げて、成長が期待できる事業へ流す「選択と集中」を進めているわけです。

【ウォルマート:WMT】
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株価は50日移動平均線をトライしています。
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ウォルマートにとってブラジル事業は長年の悩みの種でした。

95年にブラジル進出を果たして以降、ブラジル第三位のスーパーマーケットにまで成長しましたが、ブラジル人の「好み」や「買い物様式」をよく理解している地元チェーン店との価格競争で苦戦を強いられ、さらに金融危機以降はブラジルの景気が低迷したことで業績が悪化しました。

米ネット通販事業やインド事業ではアマゾンと、中国事業ではアリババと熾烈な競争が強いられているウォルマートにとって、不採算事業や成長余地の乏しいブラジル事業と英国事業に経営資源を使っている暇はないので、ブラジル事業の売却は投資家に好感されました。

ちなみに、ウォルマートの売上高を占める海外事業の割合は25%弱で、5年前の30%から低下しています。

また、今回の売却に伴って、第2四半期に45億ドルの損失が計上される予定です。これはブラジル・レアルの下落などで損失が膨らんだためで、売却のタイミングは悪いです。

とはいえ、通期のEPS見通しに大きな影響を与えない他、来年度以降は「ややプラス」の影響を与えるとみられているので過度に悲観的になる必要はありません。

ウォルマートのマクミロンCEOは「ウォルマートはたまたま規模が大きいだけで、グロース株だ」と話など、今後も将来有望とされるネット通販事業、中国事業、インド事業に経営資源を集中させることを示唆しましたから、投資家はこれらの市場の動向に注視する必要があります。

グッドラック。

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