バフェット太郎です。

トランプ政権が保護貿易主義的な姿勢を強めていますが、これは近い将来のリセッション(景気後退)の原因になりかねません。

そもそも保護貿易とは、国際競争力の乏しい国内産業を保護・育成するために、政府が外国との貿易に干渉したり制限を講じたりすることです。

たとえば国内で鉄鋼やアルミニウムを作るよりも、外国から輸入した方が安い場合、これらの輸入品に関税を課したり数量制限を設けたりするなどして、自国商品を保護して国際競争力を高めようとすることです。

ただし、外国の製品に対して一方的に関税を課したり数量制限してしまえば、相手国からも同様に関税を課されるなどの報復措置を受けるため、一方的に関税を課すことは普通しません。

しかし、トランプ氏は大統領選挙に勝利することを目的に、経済成長から取り残されている労働者票を獲得するために有権者に対して保護貿易を約束しました。これは1930年に共和党のフーバー氏が大統領選挙に勝利するために取った戦略と同じです。

フーバー氏は有権者に保護貿易を約束して大統領選挙に勝利すると、農作物をはじめとした二万品目以上の輸入品に対して、平均50%も関税率を引き上げるなど一方的な保護主義に走ったわけですが、結果的に多くの国々から報復措置を講じられ、大恐慌は深刻さを増しました。



さて、歴史から何も学んでいないトランプ政権は、EU(欧州連合)やカナダ、メキシコなどに対して、鉄鋼・アルミニウムにそれぞれ25%と10%の追加関税を課し、その後各国から報復関税を講じられています。

これらの影響は、現時点では限定的と見られているものの、本格的な貿易戦争に発展した場合、経済への下振れリスクは高まりかねません。
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【コアCPIインフレ率と失業率の推移】
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(出所:ホクギンMonthly 2018.6『貿易戦争リスクと米国インフレ加速リスク』

チャートは変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIインフレ率と失業率の推移です。

このチャートを眺めると、コアCPIインフレ率が上昇を始めると、間もなく失業率も上昇し、その後リセッション入りしていることがわかります。

トランプ政権による保護主義は関税がコストを押し上げるだけでなく、低価格の輸入品が利用できなくなるため物価には上昇圧力がかかります。

物価が上昇し過ぎれば消費活動が抑制され、企業の売上高は低迷し、コスト削減を余儀なくされた結果、失業率が上昇に転じる可能性が高まります。

そのため、コアCPIインフレ率の上昇は、短期的に見れば景気が良いことを証明していることに他ならないわけですが、中長期的に見れば消費活動を抑制し、リセッションの原因になりかねないので注視する必要があります。

グッドラック。

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