バフェット太郎です。

22日のNYダウ株式市場は前日比+119.19ドル(+0.49%)高の2万4580.89ドルと9営業日ぶりに反発しました。上昇した主な要因はOPEC(石油輸出国機構)が減産の緩和を決定したことで原油価格が高騰、エネルギー株が軒並み急騰したためです。

そもそも原油先物価格は、米シェールオイル企業による増産により一時30ドルを割り込むなど大暴落していました。そこで、16年にOPEC加盟16カ国は減産合意を決定、供給量を減らすことで原油価格を意図的に引き上げることにしました。

ちょうどその頃、原油価格暴落の引き金となった米シェールオイル企業の生産コストも底打ちしたことも原油高の追い風になりました。(※生産コスト上昇の背景には人件費の増加などがあります。)

また、当初はOPECの減産合意後に増産に踏みきる裏切り者が出てくることが予想されていて、減産に懐疑的な目が向けられていました。しかし、サウジアラビアが国営石油会社サウジアラムコのIPOを意識して率先して減産したこともあり、裏切り者はほとんど出てきませんでした。

こうしたことを背景に、16年以降、原油価格は順調に回復しました。

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【原油先物価格】
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さらに、18年になるとOPEC加盟国のベネズエラが財政悪化により生産量が減少し、同じく加盟国のイランは経済制裁により輸出量が減少しました。

結果、16年12月と比較した18年5月の減産量は172万8000バレルと、当初の減産目標(日量120万バレル)を52万8000バレル上回ることになり、目標を達成しました。



しかし、今度は減産し過ぎたせいで原油価格の高騰が懸念され始めています。これはベネズエラの生産量がどこまで落ち込むのか予想がつきにくい状況が原因です。

ベネズエラの原油生産量は18年5月時点で日量約139万バレルと、15年5月の日量237万バレルと比べて40%超減少しています。

また、IEA(国際エネルギー機関)によれば、19年のベネズエラの生産量はここからさらに減少し日量55万7000バレルと40%の減少、イランは日量88万1000バレルと23%の減少と、合計144万バレルの減産が予想されています。

原油価格が高騰してしまえば、再び米シェールオイル企業が生産量を増やしシェアを奪いかねません。そのため、OPECは価格の高騰を抑えるために減産緩和、つまり増産しなければならないのです。

今回のOPEC総会では、その増産量は100万バレルになると決定されたものの、ベネズエラやイランは生産量を増やせる状況でないため、実質的な増産量は60万バレルになります。これは市場予想よりも少ない数字だったことから、総会後、原油価格は前日比+4.64%高と急騰しました。

増産量が小幅にとどまったことで、ベネズエラの生産減少が今後一段と進んだ場合、原油価格が高騰しかねず、エネルギー株は一段高となることも期待されています。

【エクソン・モービル:XOM】
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米石油メジャー最大手のエクソン・モービルの株価です。原油高を追い風に86ドル水準のレジスタンス(上値抵抗線)を突破できるかが試されます。

グッドラック。

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