バフェット太郎です。

27日のNYダウ株式市場は前日比ー165.52ドル(ー0.68%)安の2万4117.59ドルと下落して取引を終えました。米中貿易戦争を巡る懸念が根強く「売り」が優勢となりました。

特に値を下げたのは、米中貿易戦争の影響を受けやすい半導体セクターで、ヴァンエック・ベクトル半導体ETF(SMH)は前日比ー2.45%と急落しました。

【ヴァンエック・ベクトル半導体ETF:SMH】
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これまで市場の牽引役となっていた半導体セクターですが、昨年末以降、指数の上値切り上がっているのに対して、テクニカル指標であるRSIとMACDの上値が切り下がるダイバージェンス(逆相関)が見られました。これは強気相場の最終局面に発生しやすいシグナルであることから、半導体株は50日移動平均線を割り込んで弱気相場入りする公算が大きいです。

【世界の半導体売上モメンタム】
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(出所:三井住友アセットマネジメント

世界の半導体売上モメンタムは上向きつつありますが、米国は依然としてマイナスで推移しています。今後、米中貿易摩擦が激化すれば、中国への依存度の大きい米半導体メーカーは軒並み売上高を落とすことが予想されるので、モメンタムは再び下向きになる公算が大きいです。

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【世界の製造業の新規輸出受注PMI(購買者担当指数)】
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(出所:日本総研

新規輸出受注PMIを眺めると、指数が急速に鈍化しているだけでなく、中国がマイナスに沈んでいることが確認できます。PMIは50を上回ると景気拡大、50を下回ると景気後退を示唆すると言われているので、米中貿易戦争激化で景気後退に拍車がかかる公算が大きいです。

また、中国は2015年に策定した「中国製造2025」のなかで、半導体自給率を現在の20%以下から2020年に40%、2025年には70%に引き上げる目標を打ち出すなど内製化を進めているため、今後中国の半導体輸入依存度が次第に低下する中で貿易活動も縮小することが予想されます。

こうした中、半導体業界の経営陣の大半は将来に楽観的な見方を示しており、設備投資は引き続き過去最高水準になる見込みであることから需給バランスが悪化しかねません。

これまで市場の牽引役となってきた半導体セクターですが、永遠に続く強気相場などないことを考えれば、半導体セクターに集中投資している投資家たちはこれまでと同様のパフォーマンスはもう期待できないのかもしれません。

グッドラック。

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