バフェット太郎です。

決算シーズンが本格化する中で、保有株が決算発表後に暴騰することもあれば暴落することもあると思う。暴騰したら買い増しにくくなるなと思いながらもどこか気持ちが明るくなるし、暴落すれば割安になった株を買い増せると思いながらも、将来の先行きが少し心配になったりもする。

こうした楽観と悲観の狭間の中で感情が揺れ動きながら投資家はそれぞれの決算シーズンを迎えているわけだけれど、長期投資家に限って言えば、もし保有株が予想を下回る決算を発表して株価が暴落したら、長期的な企業業績をもう一度確認してほしいと思う。

たとえば、フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)はFDA(米食品医薬品局)がニコチンの含有量を中毒にならない水準に引き下げることを義務付ける新規制を提言したり、電子タバコの「アイコス」が主力市場の日本において成長が鈍化していることなどを理由に、株価は一年前の1株116ドルから現在82ドルと30%近く暴落している。ちなみに最近はドル高が業績を圧迫させる原因にもなっている。

だから投資家の中にはフィリップ・モリス・インターナショナルのタバコ事業に悲観的になっている人も少なくないと思うし、すでに売却してしまった人もいると思うけれど、長期の企業業績を眺めればそんなに悪い数字でもないことがわかる。
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【フィリップ・モリス・インターナショナル:PM】
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グラフはフィリップ・モリス・インターナショナルの2008年12月期から2017年12月期までのキャッシュフローの推移なんだけれど、本業の儲けを示す営業キャッシュフローは安定して黒字を出しているし、投資キャッシュフローも低水準で抑えられていることから、莫大なフリーキャッシュフローを創出していることが確認できると思う。

フィリップ・モリス・インターナショナルはタバコ事業で稼いだ莫大なキャッシュフローを内部留保として貯めたり、成長を追い求めて無駄な設備投資やM&Aのためにお金を使ったりせずに、配当や自社株買いを通じて株主に積極的に還元している。

だから投資家は短期的な株価の変動に惑わされずに、長期で保有して配当を再投資し続けることで資産を着実に増やし続けることができるっていうわけです。もちろん、タバコ需要はこれからますます低迷することが予想されるのだけれども、そんなことは50年くらい前からずっと言われてきたことなので今更心配するようなことでもないと思う。

著名投資家ウォーレン・バフェット氏が「農場を買おうとする時に、毎日その値段ばかりを見る人はいません。買値に対して、どれくらいの生産高が見込めるかということを見るでしょう。株式投資もそれと同じです」(引用元:『ウォーレン・バフェット 成功の名語録 』)って言うように、フィリップ・モリス・インターナショナルを農場と考えたとき、株価の変動に一喜一憂するんじゃなくて、そこから安定して得られる年5%超の配当を受け取りながら、愚直に配当を再投資し続けた方が賢明だと思う。

こんな感じで、もし保有株が決算シーズン中に暴落したら一度長期の企業業績を振り返って冷静になって欲しい。保有株が優良ディフェンシブ銘柄なら大抵の場合は「ホールド」が正解だから。

グッドラック。

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