バフェット太郎です。

これから株式投資をはじめてみようと考えている人の中にはタイミングを見計らっている人も少なくないと思います。

確かにリーマンショック後の09年3月、ダウ平均が7000ドルの時に投資を始めて今日まで保有していたとしたら、年率平均15.2%で資産を増やせた一方、リーマンショック前の07年10月、ダウ平均が1万4000ドルの時に投資を始めて今日まで保有したとしたら年率平均5.4%にしかならなかったので、タイミングがいかに大事なことかがわかると思います。

しかし、問題はタイミングよく投資をすることが誰にもできないことを考えれば、タイミングを見計らった投資は机上の空論であるということです。

【ダウ平均:2009ー2018】
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チャートは09年~現在にかけてのダウ平均推移です。誰もがリーマンショック後の最安値6470ドルで投資を始められなかったのは、株価はまだまだ下がると考えられていたからです。弱気派の中には5000ドル台まで下がると指摘する人は少なくなかったですし、場合によっては2000ドルを割り込むと考えている人もいました。

これは1929年の世界恐慌で株価が直近の高値381.17ドルから41.22ドル(1932年)と89.2%も暴落したことから、リーマンショックが100年に一度の金融危機であるならば、同規模の暴落が来ると予想するのは自然だったからです。

ちなみに、07年10月の高値1万4200ドルを起点として89.2%暴落したとすると、ダウ平均は1534ドルまで暴落するということになります。こうした予想がされている中で、09年3月の6470ドルで一括投資することはほとんどの投資家には不可能だったことがわかります。

では、その後の株高局面で、多くの投資家が自分の投資判断が間違ったことに気づき、慌てて株を買い始めたかというと、やはりそうでもありませんでした。2010年には米国債の格付けが引き下げられたことで株価が暴落し、11年のギリシャ危機でEUの解体が懸念されると株価はやはり暴落しました。この時、多くの投資家は絶好のチャンスとは考えず、あの日の恐怖を思い出して「リーマンショック再来」を意識して身動きが取れなかったのです。

このように、多くの投資家は09年の安値でも、11年の暴落局面でも株を買うことはできなかったのです。

そして気づけば2012年、ダウ平均は1万3000ドル台とリーマンショック直前の1万4000ドルとほとんど変わらない水準まで値上がりすると、ようやく投資家心理が明るくなり、投資を始めてみようと動き出す人が増え始めました。

しかし、タイミングを見計らっている人はなかなか投資ができません。なぜならチャートを眺めればわかると思いますが、株価は50日移動平均線の上の水準にあり、なかなか200日移動平均線まで落ちることがなかったからです。多くの投資家はせめて200日移動平均線まで落ちるのをまってから投資を始めたいと考えていたので、ジッと我慢する日々が続いたのです。

そうして15年と16年にようやく200日移動平均線まで株価が暴落します。当時、中国発の世界同時株安と、FRBによるゼロ金利政策解除が株価暴落の主な要因となっていました。ところが当時、株価が暴落したところでリーマンショック前の高値1万4000ドルより上の水準にあったことから、タイミングを見計らって投資をしようとしている人たちが、果敢に投資できるタイミングではなかったことがわかると思います。

しかし、このタイミングを逃せばその後の買い場は一切なく、18年にダウ平均は2万6600ドルまで上昇します。このように過去を振り返れば、タイミングを見計らった投資がどうしてできなかったのかがわかると思います。

ちなみに、下のチャートは1982年から2000年末までのダウ平均推移です。

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【ダウ平均:1982ー2000末】
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1983年以降の強気相場の中で、200日移動平均線まで下落した買い場は87年のブラックマンデーと90年の湾岸戦争の二回だけでした。また、ブラックマンデーの買い場はほんの一瞬、さらに湾岸戦争の買い場もほんの数日しかなかったことを考えると、タイミングよく投資できたとしても、十分な金額を投じることなどできなかったことがわかると思います。

そしてこの二回を見逃せば、もうドットコムバブルが崩壊するまで買い場はやってきません。そしてドットコムバブル崩壊して200日移動平均線まで暴落するわけですが、その水準はなんと9100ドルです。これなら98年以前ならいつ投資を始めても良かったということになります。

このように過去を振り返れば、タイミングを見計らった投資というのは机上の空論であり、不可能に近いことがわかると思います。また、80年代以降のように、投資を永遠に始められないリスク、いわゆる機会損失のリスクを背負っていることも忘れてはいけません。

従って、多くの個人投資家はタイミングを見計らった投資をするのではなく、投資用資金としてまとまったお金があるのなら、一括投資をするか、それが精神的に怖いなら三分の一~三分の二くらいのポジションを最初に取り、あとは地道にコツコツと積立投資をするようなドルコスト平均法が良いです。

グッドラック。

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