バフェット太郎です。

先週末、米電気自動車大手のテスラ(TSLA)の株価が前日比ー6.3%安と急落しました。

これは同社のCAO(最高会計責任者)とCPO(最高人材責任者)の退職が明らかになったことに加えて、ネット配信番組でイーロン・マスクCEOがマリファナ(大麻)をプカプカ吸う姿が流れたことが嫌気されたためです。

米国では州によって法律が違い、収録現場のカリフォルニア州では合法であることから、マスク氏が法を犯したわけではありません。マスク氏も吸う直前に「(カリフォルニア州では)合法だよね」と確認しながら口をつけています。

とはいえ、マスク氏はこれまでも「テスラ株の非公開化を検討している。資金も確保した」と突然ツイートし、投資家らを混乱させるなどしてきたことから、企業経営者としての適性を疑問視する声が出ています。

【テスラ(TSLA):週足】
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テスラ株はわずか一ヶ月でー32.1%安と暴落し、200日移動平均線を試す展開となっています。

【テスラ:キャッシュフロー推移(2008ー2017)】
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グラフは過去10年間のテスラのキャッシュフロー推移を表しています。

そもそも営業キャッシュフローとは本業の儲けを意味しますが、2013年を除いてすべての年で赤字になっていることがわかります。つまり、テスラは全然儲かっていないわけです。

また14年以降は投資キャッシュフローが急激に増加した結果、負債総額は13年末の18億ドルから17年末には244億ドルと、わずか5年で13.5倍にも膨れ上がっています。

現状、テスラは自動車を売っても売っても会社からお金が出ていく状態が続いており、18年上半期の手元資金はわずか22億ドルまで減少しています。これは昨年一年間のフリーキャッシュフローの赤字額のおよそ半分しかなく、現金枯渇の危機を迎えていることを意味します。
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【テスラの現金同等物:2013ー2018上半期】
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こうした中、テスラは本業でお金を稼ぐか新たに資金調達しなければなりませんが、今後一年間は黒字化の見通しが経っていません。

また、「テスラ株の非公開化」のツイートを巡って、空売り筋のシトロン・リサーチが「マスク氏は空売り筋に攻撃するために意図的に株価を吊り上げた」と提訴。さらにSEC(米証券取引委員会)が株価操縦の疑いがあるとして調査に乗り出していることから、誰もテスラに投資できない状況になっています。

つまり、テスラは今まさに倒産の危機にあるわけです。

しかし、過去を振り返ればアップル(AAPL)もアマゾン(AMZN)も倒産危機に瀕していたことがありました。投資家の中には「”あの時”アップル(あるいはアマゾン)に投資して、今日まで保有し続ける”だけ”で億り人になれたのに…」と後悔し、第二のアップル(あるいはアマゾン)に投資するつもりでテスラに投資している人も少なくないと思います。

彼らにとって”あの時”というのは、まさに今日のテスラだからです。

とはいえ、アップルとアマゾンが経営危機から脱却したからと言って、テスラが脱却できるかどうかは誰も保証してくれるわけではありません。そのため、未熟な投資家らは今、「アップルとアマゾンに投資して今日まで保有し続ける”だけ”」がどれくらい難しいことなのかということを噛みしめていると思います。

グッドラック。

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