バフェット太郎です。

厚生労働省の調べによれば、政府が推進する「働き方改革」を巡って、会社員の副業を認めている企業は全体の11.2%しかなく、75.8%の企業は許可する予定もないそうです。

日本の平均年収は429万円と先進国の中でも特に低いことに加えて、年金や社会保障費が減額されることがわかっていることから、副業をすることで年収を上げて将来に備えることは正しいです。そのため、会社は副業を禁止するべきではないですし、そもそも禁止すること自体間違いです。

そもそも副業を禁止している企業の多くは「過重労働で本業に支障を来すため」として反対している一方、副業を望む会社員からは「人権侵害だ」との批判の声が聞かれます。

どちらの意見も正論ですが、そもそも日本の法律では、企業は”正当な理由がない限り”副業を一律に禁止することはできないことになっているので、仮に副業を理由に解雇通告されても裁判をすれば無効にすることができます。

ただし、「副業が理由で睡眠不足になり会社で居眠りばかりしている」とか、あるいは「競合他社の取締役に就任する」などした場合は解雇が有効と判断されるため、必ずしも解雇されないわけではありません。

そのため、企業は「常識の範囲内」で副業を認められるべきではあるものの、会社員も本業に支障を来さない程度に留めるなど自制する努力はしなければならず、両者一定の歩み寄りは必要です。

★★★

そもそも政府が副業を推進している理由は、政府が「将来、国民全員の面倒を見ることはできない」ことを認めたことに他なりません。別の言い方をすれば我々は自己防衛をする必要に迫られているわけです。

しかし、日本は労働生産人口(15~64歳までの働ける人口)の減少から企業業績が低迷している一方、解雇規制が厳しいため人件費を削減することができず、一人当たりの取り分は少なく、結果的に平均年収が429万円と先進各国と比べて著しく低くなっています。これはスウェーデンの半分以下でしかありません。
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【先進国の平均年収:万円】
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(ちなみに、フランスのような解雇規制の厳しい国の平均年収が541万円と日本の429万円よりも多い理由は、年収の低い15~24歳の失業率が30%と高く、統計上の数字に出てこないためです。)

このように、日本は労働生産人口の減少や解雇規制の厳しさなど、構造的な問題を抱えていることから平均年収は上がりにくいです。そのため、会社員が副業などを通じて収入の分散化と最大化を図ることは理に適っています。

なかには英語や専門的なスキルを磨いて社内評価を上げるか、あるいは転職して年収を上げればいいとか、そもそも副業を禁止する企業は社員に対して終身雇用を約束している素晴らしい会社なんだから副業なんて必要ないと考えている人もいると思います。

しかし、多くの会社員がいつなくなるかわからないような中小企業で働いていることを考えれば、たとえ社長が終身雇用を約束してくれるからと言っても、その約束が守られるかどうかはわかりません。

また、英語や専門的なスキルを磨き続けることで自分の価値を高めて年収を上げることは確かに正論ですが、(現実的に考えて)多くの会社員にそれができないだろうということを考えれば、日本人の平均年収を抑制する構造的な要因を打破するきっかけにはなり得ません。

もちろん、平均年収が800万円以上の大企業に勤めている人に副業は必要ありませんが、年収400万円程度のサラリーマンが年収を500~600万円台と他の先進国並みに引き上げて、減額される年金や社会保障費を補ってもらおうと思えば、副業は多くの日本人にとって必須と言え、会社側はこれを認めるべきです。

グッドラック。

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