バフェット太郎です。

1日のNYダウ株式市場は前日比+192.90ドル(+0.73%)高の2万6651.21ドルと上昇して取引を終えました。上昇した主な要因は、NAFTA(北米自由貿易協定)再交渉で米国とカナダが合意したことで安心感が広がったためです。

新協定は「USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)」とし、これまでのNAFTAから名称が変更します。また、投資家らが注目していた自動車については、関税発動の場合はカナダとメキシコから輸入する完成車や部品の多くを課税適用外とすることを決めました。

これを好感してゼネラル・モーターズ(GM)は+1.57%高と大きく上昇しました。

また、電気自動車大手のテスラ(TSLA)は+17.35%高と暴騰しました。これはイーロン・マスクCEOと提訴していたSEC(証券取引委員会)との間で和解が成立したためです。

この和解の条件の一つとして、マスク氏は会長職を退くことが決まったものの、CEOには留まることから株価は大きく反発しました。

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【テスラ(TSLA):週足】
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ただし、マスク氏がCEOに留まったからと言ってテスラの経営危機が過ぎ去ったわけではありません。テスラの手元資金は第2四半期(4ー6月)末時点で22億ドルしかなく、四半期当たり10億ドルのペースで現金が燃焼し続けています。また、第3四半期に黒字化する見込みも低いと見られています。

そのため、楽観にも悲観にも傾きやすいセンチメントを表すように、株価は昨日大きく上昇したものの、50日移動平均線の突破とまではいきませんでした。今後、50日移動平均線を上にブレイクアウトするのか、あるいはこのままズルズルと下落してしまうのか投資家は注視する必要があります。

さて、テスラホルダーの中にはリスク(変動率)に耐えきれず、テスラを損切りしたり利食いしたりした人も少なくないと思います。実際、ほとんどの投資家は自分が思っているよりもリスク許容度は大きくないので、売買に走ることは至極当然ですし、グロース株投資で成功している人たちのほとんどは損切りと利食いを徹底しています。

だからグロース株投資において売買をすることは決して間違いではありません。

しかし、多くの個人投資家はアマゾン・ドットコム(AMZN)やアップル(AAPL)の株価が上場後何百倍にもなったという成功を見るにつけ、「そうか!グロース株投資は将来有望のイケてる銘柄に長期投資しさえすれば報われるのか」とバイ&ホールドしがちです。

ただしそれで成功したのは、たまたま保有株がアマゾンやアップルだけだった投資家だけで、淘汰された無数のグロース株に投資していた人たちは報われなかったのです。

過去を振り返れば、今日のテスラ同様、アマゾンやアップルも倒産の危機に瀕していた時代がありました。それでもなおバイ&ホールドした投資家のみが報われたわけで、テスラが第二のアマゾンやアップルになるのか、あるいは淘汰された(あるいは長期で低迷することになった)無数のグロース株と同じ運命を辿ることになるのかは誰にもわかりません。

こうした難しさがグロース株投資にはあるわけですが、その見返りとして大きなリターンが期待できるのも事実なので、市場平均並み(長期的に見れば年平均7%)で満足できない投資家は、地味で退屈なバリュー株投資ではなく高いリターンの見込めるグロース株投資をすべきでしょう。

とはいえ、お金持ちになるためだけなら年平均7%のパフォーマンスで十分であることに加えて、多くの投資家は市場平均以下の投資成績しか収められない未来が待っているわけですが。

グッドラック。

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