バフェット太郎です。

19日のNYダウ株式市場は前日比+64.89ドル(+0.26%)高の2万5444.34ドルと小幅上昇して取引を終えました。上昇した主な要因は好調な企業業績を好感した買いが優勢となった他、生活必需品セクターが軒並み買われたためです。

この日、日用品世界最大手のプロクター&ギャンブル(PG)が予想を上回る四半期決算を発表したことで、株価は前日比+8.8%高と急騰、相場の牽引役となりました。

また、長期金利が再び3.20%に達したことで将来の先行き見通しが悪化したことから、食品・飲料・タバコ・日用品などの生活必需品セクターが軒並み上昇、16年6月以来最大の上げ幅を記録しました。

そもそも高配当株の多い生活必需品セクターは、金利上昇局面に弱いことから軒並み売られてきたという経緯があります。そのため、今回の「買い」はリスク再燃が意識されたことによる「買い戻し」と考えることができます。

従って、これをきっかけに「ディフェンシブ株ブームの始まりだ!」なんてことはなくて、一時的に市場平均をアウトパフォームする期間があるものの、積極的に買われるのはFRBによる利上げが打ち止めとなってからです。

★★★

さて、米国株式市場は長期金利の上昇や米中貿易摩擦への懸念だけでなく、サウジアラビアを巡る地政学的リスクの高まりも意識され始めています。

サウジの反体制記者ジャマル・カショギ氏が殺害された事件を巡って、サウジのムハンマド皇太子が事件に関与した可能性が高いとの見方から、米国とサウジの関係が悪化するのでは?との懸念が高まっています。

この事件に関して、サウジはカショギ氏がトルコのサウジ総領事館内で「言い争いと殴り合い」の後に死亡し、18人のサウジアラビア人を逮捕したと発表しました。ちなみにこの18人の中に、ムハンマド皇太子の警護担当者も含まれています。

また、サルマン国王の命令により、ムハンマド皇太子の側近であり情報機関のナンバー2であるアシリ副長官を含む5人が更迭されました。加えて、情報機関の刷新に責任を持つ新たな委員会の設置を命じるとともに、その委員会はムハンマド皇太子が率いることになるそうです。

つまり、これはカショギ氏殺害の首謀者と見られているムハンマド皇太子に関与・責任が及ばないことを意味し、サウジは高官を更迭することで事件の幕引きを狙っているというわけです。

しかし、なぜムハンマド皇太子の警護担当者がそこにいたのか、なぜ誰も救急車を呼ばなかったのか、なぜ遺体は切断されたのか、遺体はどこにあるのか、なぜトルコの捜査チームが総領事館に入る前に清掃員が入館したのか。

いくつもの謎に包まれた中、トルコ政府が持っているとされる録音・録画の証拠が公開されれば、米政府はサウジに対して制裁を科す公算が大きいです。仮に制裁を科すことが決定すれば原油供給が制限され、エネルギー価格の高騰と、それによる消費活動の減退に繋がる可能性があります。

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【原油先物価格:1983ー2018】
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過去を振り返ると、米国経済は原油先物価格の急騰後にリセッションを迎えていることから、投資家は米国がサウジに対していかなる措置を取るのか、注視する必要があります。

グッドラック。

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