バフェット太郎です。

小売世界最大手のウォルマート(WMT)が第3四半期決算を発表しました。内容はまちまちでした。

EPSは予想1.01ドルに対して、結果1.08ドルと予想を上回りました。

売上高は予想1255億5000万ドルに対して、結果1249億ドルと予想を下回りました。

米既存店売上高は予想+3.1%に対して、結果+3.4%と好調でした。

これで既存店売上高は17四半期連続で前年を上回りました。客単価が+2.2%だったほか、客数も+2.2%と好調だったことが寄与しました。

ネット通販事業の売上高は前年同期比+43%と前期の同+40%から伸長しました。

ネット通販事業は女性向けランジェリー販売の「ベア・ネセシティーズ」や体格の大きい人向けのアパレルブランド「エロクイ」、高価格帯アパレルブランドの「ロード&テイラー」などが寄与したほか、グローサリー・ピックアップ(ネットで生鮮食品を注文し、店舗で車から降りずに持ち帰るサービス)が好調でした。

また、現在600店舗で展開されている宅配サービスも、年内に800店舗に拡大する計画です。

会員制スーパーマーケットのサムズクラブの既存店売上高は+6.2%と高い伸び率を示しました。これは今年初めに既存店63店舗を撤退させたためです。

通期のEPS見通しは従来予想4.65~4.80ドルに対して、新ガイダンス4.75~4.85ドルと上方修正されました。

通期の米既存店売上高の伸び率も従来予想の「3%程度」から「3%以上」と上方修正されました。

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決算発表を受けて株価は前日比ー1.96%安と急落しました。EPS、ガイダンスは予想を上回ったものの、売上高が予想を下回ったことが懸念材料となりました。

さて、投資家の中にはアマゾンの急成長を背景に「小売株には投資したくない」と考える人も少なくないと思います。

たしかにアマゾンが躍進したことで、小売企業が軒並み淘汰されたのは事実なので多くの投資家が小売株にネガティブになるのは理解できます。しかし、ウォルマートにとって淘汰の波は必ずしもマイナスの影響ばかりではありません。

事実、玩具大手のトイザらスが経営破綻したことで、ウォルマートの玩具売上高が前年同期比+40%の高い伸び率を示しましたし、既存店をスクラップしたほかライバル店が軒並み淘汰されたことで、ウォルマートやサムズクラブの既存店売上高はそれぞれ17四半期、11四半期連続で前年を上回るなど収益力が改善しています。

また、今後さらにネット通販市場が拡大する中、既存の小売事業者はネット通販事業に投資する余力がほとんどありません。そのため、熾烈な競争を勝ち抜くことはできず、時間の経過とともに競争力格差が拡大するので、アマゾンやウォルマートなど一部の大企業が小売市場を支配することになります。

とはいえ、ウォルマートの株価は三年前の52ドルからほぼ倍増していることから、投資家にとって魅力の無い割高な株に見られているため、これからウォルマートに投資しようと考える人は少ないと思います。

つまり、ウォルマートという優良株の成長の恩恵を享受することができるのは、誰もが悲観的になり、ボコボコに売られている時に投資できた一握りの投資家しかいなにというわけです。

グッドラック。

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