バフェット太郎です。

ウォールストリート・ジャーナルによれば、「FDA(米食品医薬品局)が全米でメンソールたばこの販売を禁止する方針を表明した」とのこと。また、FDAは風味付き電子たばこの販売を全面的に禁じる規定の策定も進めているそうです。

さて、メンソールたばこの禁止で最も打撃を受けるのはブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTI)です。これは、同社傘下のレイノルズ・アメリカンが15年に同業大手ロリラードとメンソールたばこの首位ブランド「ニューポート」を買収していたためです。

ブリティッシュ・アメリカン・タバコにとって、メンソールたばこは利益の25%を占める主力製品であり、「ニューポート」は米国の売上高全体の20%を占める主力ブランドであることから、今回の決定は将来の業績の圧迫要因になります。

そのため、今回の決定に先駆けて、米FDAがメンソールたばこの販売禁止を提案していることが伝わると、ブリティッシュ・アメリカン・タバコの株価は暴落しました。

【ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BTA):週足】
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ブリティッシュ・アメリカン・タバコの株価は直近の高値68.67ドルからー49.3%安と大暴落しており、配当利回りも7.40%と将来の減配を意識させる数字まで上昇しています。投資家は半ばパニックに陥っています。
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ブリティッシュ・アメリカン・タバコの地域別営業利益シェアを眺めると、米国の営業利益は全体の20%を占めていることがわかります。そのため、メンソールたばこの販売が禁止になると、概算で営業利益の4%が消滅することを意味するわけですが、20年にEUでも同様にメンソールたばこの販売が禁止される予定であるため、業績への圧迫要因は拡大する見通しです。

これに対して、「メンソールたばこが禁止になっても、喫煙者が喫煙を止めるとは考えにくく、将来別の銘柄にスイッチすることが予想されることを加味すれば、過度に悲観的になる必要はない」との楽観的な意見も聞こえます。

また、規制変更には科学的な証拠を巡る議論が義務付けられているため、実際にメンソールたばこが市場から消えるまで早くても3年以上先になる見通しであることから、一時的に株価は反発する可能性があります。

加えて、FDAが電子タバコを全面的に禁じる規定の策定を進めていることも、大手たばこ企業にとって追い風になります。

これは、電子タバコの全面的禁止で最も打撃を受けるのが、市場シェアトップの新興企業ジュール・ラブズだからです。ジュールは米国の電子タバコ市場でおよそ73%ものシェアを誇るなど、ブリティッシュ・アメリカン・タバコの9.5%、アルトリア・グループの7.2%を大きく上回り、半ば独占状態となっていました。

しかし、FDAが電子タバコを全面的に禁じれば、挽回の余地がなかったたばこ大手各社にとって、奪われた顧客(若者たち)を取り戻す絶好のチャンスになるので、今回の決定はたばこ大手各社にとって追い風になり得るというわけです。

とはいえ、投資家とは先行き不透明感を嫌うものなので、ブリティッシュ・アメリカン・タバコの株価は一時的に反発するも、その後はズブズブと長期で低迷する公算が大きいです。その間、投資家は配当を再投資することで資産の最大化を目指すことはできるものの、将来の減配は覚悟しておいた方がいいかもしれません。

グッドラック。

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