バフェット太郎です。

アップルショック再来で米国株式市場が急落しています。19日のNYダウ株式市場は前日比ー395.78ドル(ー1.56%安)の2万5017.44ドル、S&P500種指数は前日比ー45.54ポイント(ー1.66%)安の2690.73ポイント、ナスダック総合指数に至ってはー219.39ポイント(ー3.03%)安の7028.48ポイントと三指数揃って急落しています。

ウォールストリート・ジャーナルによれば、アップル(AAPL)は9月に発表された新型「iPhone」3機種の売れ行きが不振であることを理由に、生産計画を約3分の1削減したことに加えて、サプライヤーに対して生産計画の下方修正を再度要請したんだとか。

売れ行きが低調な要因として、スマホ市場が飽和状態にあることや中国メーカーとの競争激化が挙げられます。

【アップル(AAPL):週足】
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アップルの株価は前日比ー3.96%安と急落し、ついに50週移動平均線を下にブレイクアウトしました。50週移動平均線を下回ったのは、2月の瞬間的な下げを除けば、およそ二年半ぶりのことです。当時はFRBによる9年半ぶりの利上げが相場の重しとなって200週移動平均線まで下げていましたが、今回はFANG株ブームの終焉で200週移動平均線をターゲットに下落する可能性が高まっています。

仮に200週移動平均線の137ドル水準まで下落すれば、直近の高値222ドルから38%下落することを意味します。とはいえ、どんな優良株も10年に一度くらいは30~50%以上下げるものなので、この程度の下げは想定しておくべきですし、仮にこの程度の下げを許容できないようであれば、個別株や株式への集中投資はやめて、ポートフォリオにおける債券や金など安全資産の比率を引き上げた方が賢明です。

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さて、アップル株の急落はその他のFANG銘柄にも波及しており、フェイスブック(FB)はー5.72%安、アマゾン・ドットコム(AMZN)ー5.09%安、ネットフリックス(NFLX)ー5.45%安、アルファベット(GOOGL)ー3.82%安と軒並み急落。さらにこれまで投資家から絶大な人気を集めていたエヌビディア(NVDA)に至ってはー12%安と暴落しています。

もちろん、これらの銘柄がこれまでずっと上昇を続けてきたことを考えれば、依然として含み益を抱えている投資家もいると思います。しかし、それはたまたまタイミングよく投資できた銘柄をたまたま保有し続けただけの「まぐれ」であって、そうした運の良い投資をこれから何度も再現できるかといえば、かなり高い確率で「ノー」と言えます。

たとえば、FANG株がブームになっていた頃、「20年前からアマゾンやアップルに投資していたら、資産は何百倍にもなっていた」とした上で「だから成長株をバイ&ホールドすればいい」といった意見が多く聞かれました。

たしかに、成長株に対する「バイ&ホールド」戦略は、大きな果実が得られるので、それを追い求めたい気持ちはわかりますが、無数に淘汰されたグロース株の末路を加味すれば、同時に大きなリスクを伴うことも覚悟しなければなりません。

たとえば、20年前の1998年にアマゾンやアップルに投資していたとすれば、ドットコムバブル崩壊による大暴落に耐えなければなりません。当時、多くのハイテク株が紙くずになるなかで、アマゾンが最大ー95%安、アップルも同ー82%安と大暴落しました。

それを耐えられるかと言えば、多くの投資家には無理と言えます。もちろん、多くのハイテク株が軒並み紙くず同様に値下がりするなかで、自分が保有している銘柄だけはその後大暴騰することがわかっているのなら保有することもできますが、誰にもそれがわからない中で、盲目的に保有することは難しいからです。

マーケットは別にアマゾンやアップルだけが上場しているわけではありません。数千もの銘柄が上場され、取引出来るなかで、なにもこれらの銘柄にこだわる必要はないわけです。ハイテク株がダメなら別の株。そうやって乗り換えることができるため、多くの投資家はアマゾンやアップルを長期保有することができず、損切りし、別の銘柄に乗り換えてリターンを追求するようになります。

従って、グロース株のバイ&ホールドは大きなリターンが期待できるものの、机上の空論であり、多くの投資家には再現性のない投資スタイルです。まぁ、愚者は体験で学ばないと気が済まないみたいなので、FANG株を大切にバイ&ホールドしながら地獄を見ればいいと思いますけどね。

グッドラック。

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