バフェット太郎です。

ウォールストリート・ジャーナルによれば、アップル(AAPL)が10月26日に発売したばかりの新機種「iPhoneXR」の実質的な値下げを決定したとのこと。

アップルは9月21日に新機種「iPhoneXs」と「iPhoneXs Max」を発売し、その一か月後に「iPhoneXs」の廉価版として「iPhoneXR」を発売しました。

「iPhoneXR」の販売が伸び悩んだ主な要因は、他の二つの新機種に比べて機能が限られていることに加えて、高価格帯であることが敬遠されたためです。

アップルにとって「iPhone」は売上高の59%を占める主力製品ですが、近年は販売台数が頭打ちになっていることから、端末価格を引き上げることで売上高を伸ばしてきました。

【アップルのiPhone販売台数と売上高】
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しかし、今回アップルが日本での販売をテコ入れするために、携帯電話会社への販売補助を提供し、実質的な値下げを決定したことは、これまでの値上げ戦略が限界にきていることを示唆しています。

【地域別売上高】
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アップルにとって日本市場は売上高全体の一割にも満たない市場ですが、アップル信仰が強い先進国の日本で高価格帯戦略が通用しなくなっているということは、他国でも通用しなくなっている可能性があるため、今後、同様の補助金支給が発表される可能性があります。

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アップルの週足チャートを眺めると、50週移動平均線を下回っていることに加えて、直近の高値から24%下げていることから、すでに弱気相場入りしていることがわかります。また、200週移動平均線が137ドル水準であることから、この水準まで下がる可能性があります。

【アップルのEPS、DPS、BPS】
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これまでアップルは値上げ戦略が功を奏したことで利益は急拡大しており、過去5年間のEPS(一株当たりの利益)成長率は年率平均15.96%と驚異的な数字を叩き出してきました。しかし、これから値上げ戦略が通用しなくなれば、利益成長率は鈍化することが予想されるため、投資家の失望売りが加速する公算が大きいです。

ただし、投資家は過度に心配する必要はないと思います。

【アップルのキャッシュフロー推移】
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アップルのキャッシュフロー推移を眺めると、本業の儲けを表す営業キャッシュフローは15年に頭打ちとなっているものの、投資支出が拡大していないことから、莫大なフリーキャッシュフローを生み出していることがわかります。

今後、値上げ戦略が通用しなくなり、営業CFやEPSの成長は期待できなくなっても、安定したキャッシュフローは見込めることから投資家は配当や自社株買いなどの株主還元が期待できます。

そのため、長期的に配当を再投資し続けられる投資家は満足のいくパフォーマンスが期待できると思います。もちろん、それができればの話ですが。

グッドラック。

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