バフェット太郎です。

4日のNYダウ株式市場は前日比ー799.36ドル(ー3.10%)安の2万5027.07ドルと急落して取引を終えました。急落した主な要因はリセッション(景気後退)の前触れとして知られる長短金利の逆転現象が見られたことで、機械的な売り注文が発動され、売りの連鎖が生じたためです。

また、米中貿易戦争を巡って先行き懸念が高まったことも売り材料となりました。これは、中国との通商協議で中国に対して強硬派として知られるロバート・ライトハイザー氏が代表を務めることが明かになった他、トランプ大統領がツイッターで「中国との交渉が決裂した場合は、中国からの輸入品に対して追加関税を課す」と明言し「私は”関税の男”なのでヨロシク」と牽制したためです。

こうして米中貿易戦争に対する楽観的な見方が後退したことで、これまで買い戻されていたハイテク株や資本財株が再び暴落した他、長期金利が下落したことで金融株が軒並み暴落しました。

これまで相場の牽引役となってきたFAAMG銘柄のフェイスブック(FB)はー2.24%安、アマゾン・ドットコム(AMZN)ー5.87%安、アップル(AAPL)ー4.40%安、マイクロソフト(MSFT)ー3.18%安、アルファベット(GOOGL)ー5.03%安でした。

資本財株はキャタピラー(CAT)ー6.93%安、ボーイング(BA)ー4.85%安、金融株はJPモルガン・チェース(JPM)ー4.46%安、ウェルズ・ファーゴ(WFC)ー4.54%安、バンク・オブ・アメリカ(BAC)ー5.43%安でした。

さて、リセッションの前触れとなる長短金利の逆転現象ですが、米5年債利回りが2.79%に対して、米2年債利回りは2.80%と0.1%ポイントの逆転現象が見られています。しかし、米10年債利回りは2.91%と依然として2年債利回りを上回っており、逆転現象は見られていないことから、「このままズルズルと株価が下落してリセッション入りする」ということはないと思います。

【米5年債利回りー米2年債利回:1989ー2018】
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過去を振り返ると、リセッションは長短金利が逆転した後、再び正常化した後に訪れていることがわかります。

そもそも長短金利差の逆転現象とは、長期金利が下落(価格は上昇)し、短期金利は上昇(価格は下落)して起こるものです。

長期金利は投資家の動きで、短期金利は政策金利の行方で決まるので、利上げ局面では短期金利が上昇します。しかし、短期金利が上昇すれば住宅ローン金利も上昇してしまうので、人々は住宅購入を手控えるようになります。住宅市場の冷え込みは幅広い業種に悪影響を及ぼすので、投資家は株式市場から投資資金を引き揚げ、安全資産の米長期国債を買い増すようになります。すると、長期金利は下落(価格は上昇)するので、長短金利の逆転現象が起こるわけです。

その後、住宅市場がさらに冷え込むと、FRBは慌てて金利を引き下げます。短期金利は政策金利の影響を受けやすいので、FRBが金利を引き下げれば短期金利も下落します。すると、短期金利が長期金利を下回るので長短金利差が正常化します。

とはいえ、FRBが金利を引き下げたからと言って、実体経済が直ちに良くなるわけではありませんから、景気はズブズブと悪化してリセッション入りするというわけです。

別の見方をすれば、長短金利差が正常化しない(すなわちFRBが利下げをしない)のであれば、リセッションもないと考えることができます。事実、これまで金利が高止まりしている時にリセッション入りしたことはありません。また、失業率や景況指数などの経済指標は依然として好調であることから、実体経済は決して悪くなく、FRBが金利を引き下げる理由も乏しいです。

こうしたことから、米国株がこのままズルズルと値を下げていき、リセッション入りするとは考えにくいため、投資家は強気の姿勢を堅持してください。

グッドラック。
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