バフェット太郎です。

昨日、ソフトバンク・グループ(9984)の通信子会社ソフトバンク(9434)が東証一部に上場しましたが、これが多くの個人投資家を失望させる結果となりました。中には1000万円以上の含み損を抱えてしまった個人投資家もいるんだとか。

通常、IPO(新規株式公開)は初値が公開価格を上回るものですが、ソフトバンクの公開価格1500円に対して、初値1463円と公開価格を2.5%下回りました。また、その後もズルズルと値を下げ、終値は公開価格から-14.5%安となる1282円で取引を終えました。

当初、公開価格が1500円、DPS(一株当たりの配当)75円であることから、配当利回りは5%が予想されていましたが、株価が暴落したことで配当利回りは5.9%まで上昇しました。

さて、個人投資家は暴落するソフトバンクの株を買い向かうべきでしょうか、あるいは手控えるべきでしょうか。結論から言えば手控えるべきです。これはキャピタルゲイン(値上がり益)だけでなくインカムゲイン(配当収入)を目的とした投資家も同じです。

【ソフトバンク(9434)経営成績】
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ソフトバンクの経営成績は三期連続でほぼ横ばいで、19年もほぼ横ばいが予想されています。しかし、通信料金の値下げ圧力が高まっていることから、今後数年間、業績の低迷が続くと思います。

【ソフトバンク(9434)経営成績②】
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19年3月期の予想EPSは87.73円、予想BPSは230.23円であることから、予想PERは14.61倍、予想PBRは5.57倍となっています。ちなみに、通信大手三社のバリュエーションを比較すると以下の通りになります。

【通信大手各社のバリュエーション】
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バリュエーションの指標とされるPERとPBRだけを比べれば、ソフトバンクが割高のようにも見えますが、これは自己資本比率が低いためです。

通常、自己資本比率は財務の健全性を示す指標となり、概ね30%以上が適正と言われたりします。ただし、安定したキャッシュフローが見込める事業であれば、それほど多くの自己資本を用意する必要はなく、必要のないお金はさっさと株主に配当や自社株買いといったかたちで還元するのが適切です。

そのため、ソフトバンクは株主のお金を効率よく運用していると言える一方、NTTドコモは非効率に運用していると言えます。

ちなみに、米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)の自己資本比率は16.76%、ROE91.74%、予想PER11.79倍、PBR5.27倍、予想配当利回り5.89%です。

そのため、仮にソフトバンクがベライゾンと同程度(予想PER10~12倍)のバリュエーションで落ち着くとすれば、予想株価は877~1065円となることが予想されます。

仮に株価が877円まで下落すれば、配当利回りは8.6%と超高配当利回りになるわけですが、前述した通り通信料金の値下げ圧力を巡って、通信大手各社の業績は低迷することが予想されているので減配する可能性があります。

減配すれば株価はさらに暴落する可能性がありますし、8.6%という超高配当利回りも絵に描いた餅になる可能性が大きいです。そのため、キャピタルゲインもインカムゲインも不透明であることから、個人投資家らはソフトバンクに近づくべきではないと言えるわけです。

グッドラック。

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