バフェット太郎です。

9日のNYダウ株式市場は前日比91.67ドル(+0.39%)高の2万3879.12ドルと四日続伸して取引を終えました。上昇した主な要因は、米中通商協議が進展の兆しを見せたためです。

この日通商協議を終えたUSTR(米通商代表部)は声明で、「中国政府が米国からかなりの量の農産物やエネルギー、工業製品、サービスを輸入することを約束した」とした上で「(いかなる合意にも)継続的な検証と効果的な実施が含まれることを我々は望んでいる」とし、約束が本当に守られるかどうかを見極めていく姿勢を示しました。

また、多くの争点を高官級協議に委ねることになったことから成果は限定的で、貿易摩擦の打開には至りませんでした。

米中貿易摩擦を巡っては、すでに中国経済に悪影響が出ていて、先日発表された中国PMI(製造業購買担当者指数)は49.7と、景気の拡大と縮小を分かれ目となる50を下回っています。また、昨年の自動車販売台数は前年比6%減の2270万台と、およそ20年ぶりに前年割となりました。

貿易摩擦の長期化は中国経済の息の根を確実に止めつつあり、中国政府も金融緩和でしか自国経済を支えるしか他なりません。これは実体に見合わない資産価格の上昇になりかねず、世界経済のリスクが高まるだけです。
【上海総合指数】
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上海総合株価指数の日足チャートを眺めると、弱気の三角保ち合いを形成しており、下にブレイクアウトしやすいです。ただし、金融緩和への期待感もあり、先は見通しにくいです。

また、シャドーバンキングの過熱も中国経済のリスクを高めています。

そもそもシャドーバンキング(影の銀行)とは、通常の銀行ではなく、投資銀行(証券会社)やヘッジファンドなどをの金融業態の総称を指すわけですが、中国ではシャドーバンキングを介したハイリスク商品への投資が過熱しており、リスクが高まっています。

特に「銀行理財商品」が人気で、これは銀行を仲介役として企業が他の企業へ貸し付けを行うことができるものです。

たとえば、造船メーカーのA社が表面利率年6.6%の社債を発行して資金調達し、銀行を経由して不動産メーカーのB社に年率18.0%で貸し付けるといったことが実際に行われているわけです。

とはいえ、18%もの利息を払い続けることは非現実的で、いずれかの時点で問題が表面化することは避けられません。仮に多くの「銀行理財商品」がデフォルトすれば、急激な資金の引き揚げが発生して、連鎖的なデフォルトに繋がりかねません。

その時、世界の投資マネーはリスクオフに傾き、ドル安株安が加速する公算が大きいです。ただし、それが「いつ」起こるのかは誰にもわからないため、投資家はリスクの低い資産運用を心掛けた方が賢明です。

グッドラック。

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