バフェット太郎です。

18日のNYダウ株式市場は前日比+336.25ドル(+1.38%)高の2万4706.35ドルと上昇して取引を終えました。上昇した主な要因は、米中貿易問題が解決に向かうとの期待感から、幅広いセクターで買いが優勢となったためです。

ブルームバーグの報道によれば、中国政府が貿易不均衡の是正に向けて、米国からモノの輸入を 1兆ドル以上増やし、貿易黒字を2024年までにゼロにすることを目指す案を示したとのこと。

このニュースを好感して株価が上昇したわけですが、これは実現不可能な目標であることに加えて、仮にこれを実現させてしまうと中国経済がさらに停滞するか、他国との軋轢が生まれる可能性があるので、投資家は楽観視すべきではありません。

そもそも貿易収支とは、輸出から輸入を差し引いたものなので、中国が米国に対して貿易黒字であるということは、中国は米国製品をあまり買わない一方、米国は中国製品をたくさん買うため、中国国内にドルがジャブジャブと流入し、経済が潤うことを意味します。

しかし、中国が貿易収支のゼロを目指し、仮に実現させてしまえば、中国にドルが流入しないので経済が停滞しかねません。そのため、中国は経済の停滞を回避するために、米国以外の国々で貿易黒字を増やそうとし、諸外国と軋轢が生じる可能性があります。

また、中国が貿易収支ゼロを目標にして、今後6年間で対米輸入を4倍に増やそうとしたところで、米国は大豆や飛行機を簡単に増産できるわけではないので、そもそも実現的ではありません。

こうしたことから、市場の楽観は一時的であり、米中貿易摩擦の解決にはほど遠いと言えます。
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S&P500種指数の週足チャートを眺めると、昨年10月に50週移動平均線を割り込んだ後、12月に200週移動平均線をサポートラインに反発し、再び50週移動平均線をターゲットに上昇していることがわかります。

今後、レジスタンス(上値抵抗線)となる50週移動平均線の2730ポイントを上にブレイクアウトするのか、あるいは抑えられるようにして真っ逆さまに落ちてきてしまうのか、投資家は注視する必要があります。

とはいえ、トレーダーではない長期投資家にとって、タイミングを見計らった売買はパフォーマンスを悪化させるだけなので、狼狽売りに走ったりと過度に神経質になるべきではありません。

たとえば、コカ・コーラ(KO)やプロクター&ギャンブル(PG)といった一握りの優良企業は、毎年安定した利益を生み続けるので、年々企業価値が増加していきます。そのため、投資家は長期で保有し続けるだけで、その企業の業績の恩恵を間接的に享受し続けることができるのです。

グッドラック。

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