バフェット太郎です。

中国国家統計局が発表した18年のGDP(国内総生産)は、物価変動の影響を除く実質で前年比6.6%増と、天安門事件の翌年で経済制裁の影響を受けた1990年(3.9%増)以来28年ぶりの低水準となりました。

また、18年Q4(10-12月期)のGDPは前年同期比6.4%増となり、Q3(7-9月期)の同6.5%増から伸び率が小幅減速しました。

【中国GDP:対前年比】
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18年通期の中国固定資産投資は前年比予想+6.0%に対して、結果+5.9%と予想を下回りました。これは96年以来22年ぶりの低い伸びとなりました。

12月の中国鉱工業生産指数は前年比予想+5.3%に対して、結果+5.7%と予想を上回りました。

【中国鉱工業生産指数:対前年比】
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12月の中国小売売上高は前年比予想+8.2%に対して、結果+8.2%と予想に一致しました。

【中国小売売上高:対前年比】
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中国の経済指標はどれも減速しているわけですが、主な要因は、米中貿易摩擦激化により「設備投資」が減速したほか、「個人消費」が伸び悩むなど、経済成長の牽引役が失速したためです。

中国は習近平国家主席の下、積極財政に舵を切ったものの、18年のインフラ投資の伸びは前年比で二桁縮小しました。また、個人消費についても、大規模な減税政策が行われたものの、企業収益の鈍化で賃金も影響を受けており、消費が伸び悩んでいます。ちなみに、これまで個人消費を牽引してきた自動車の新車販売台数は減税打ち切り前の駆け込み需要の反動などで28年ぶりに前年割れとなっています。

さらに、12月の輸出は前年同月比-4.4%の減少に転じています。
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【上海総合指数:週足】
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上海総合指数の週足チャートを眺めると、底値のサインとなるダブルボトムを形成したことがわかります。また、18年1月から始まる弱気のトレンドチャネルのレジスタンス(上値抵抗線)を試しており、上にブレイクアウトするのか、あるいは2440ポイントのサポートラインを割り込み、一段と下落するのか投資家は注視する必要があります。

ちなみに、中国は景気減速を懸念して、中国人民銀行は預金準備率を1ポイント引き下げるなど金融緩和に動いているので、短期的には金融緩和を好感した買いが入り、レジスタンスを上に抜けることが期待できます。

【上海総合指数と預金準備率】
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とはいえ、過去を振り返ると、中国人民銀行による預金準備率を引き下げは弱気相場入りの前兆となっていたことを考えると、たとえレジスタンスを上に抜けたとしても、株高は一時的なものであり、中国株終わりの始まりの合図と捉えることができます。

いずれにせよ、中国経済の見通しが悪いことから、投資家は中国株投資に対して慎重になるべきです。

グッドラック。

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