バフェット太郎です。

ウォールストリート・ジャーナルによれば、FRB(米連邦準備制度理事会)は、バランスシートの縮小を予想より早い段階で終了することを決める調整に入っているとのこと。

FRBは08年の金融危機以降、金融市場の安定を取り戻すため、米国債やMBS(住宅ローン担保証券)などを購入することによって市中に大量の資金を供給しました。

その結果、FRBのバランスシートは07年末の9148億ドルから14年末には4兆4978億ドルと、およそ5倍の規模に膨張したわけですが、景気が拡大期にあることを考えれば、膨張したバランスシートを適正な水準まで戻す必要があります。これは、再び訪れるであろう金融危機に対して、適切な政策を打てるようにしておくためです。

【FRBのバランスシート:2003-予2021】
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(出所:J.P.Morgan

バランスシートの縮小が始まった17年当時、パウエル氏は今後3~4年、つまり2020年~21年で、ニューノーマル(新常態)の水準まで縮小するとの考えを示したものの、WSJの記事によれば、どうやらそれよりも早い段階で終了することになりそうです。

そもそもバランスシートの縮小は、長期金利に上昇圧力をもたらすため、実質的な金融引き締めを意味します。そのため、バランスシートの縮小が終了するということは株高につながるのです。事実、この報道が材料視されて、ダウ平均は上昇しました。

しかし、ここで投資家が冷静になって考えなければならないことは、FRBがバランスシートの縮小を考えているということは、FRBが景気拡大局面が終盤に差し掛かっていると考えていることに他ならないということです。

それにも関わらず株価が上昇するということは、市場参加者が「Bad News is Good News(悪いニュースは良いニュースだ)」と考えているからです。つまり、悪い経済指標などが出れば、FRBは金融引き締めを中断するので、株式市場にとって良いニュースになるというわけです。

当然、こうした考え方がまともであるはずがなく、実体経済が低迷しつつあることを考えれば、これから始まる株高は短命に終わると予想することができます。

【S&P500種指数と政策金利】
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チャートはS&P500種指数と政策金利の推移です。過去を振り返ると、株価はFRBによる金融緩和(利下げ)を合図に暴落していることがわかります。

そのため、FRBによるバランスシート縮小の終了が、将来の金融緩和につながるのであれば、米国株の強気相場もあとわずかだと考えられます。

とはいえ、現在は金融引き締めの手を休めようとしている段階であり、金融緩和は依然として遠いので、強気相場の終焉は来年以降になると思います。

グッドラック。

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