バフェット太郎です。

行動経済学によれば、投資家はみな自信過剰であることが原因で頻繁に売買を繰り返す傾向があると言われています。

たとえば、市場参加者が見落としている割安株に投資したり、市場参加者が熱狂している割高株を手放したりするという行為は、言い方を変えれば、「みんなが気づいていないことを自分だけが気づいている」と言っていることに他ならず、多くの投資家は自信過剰に陥っているというわけです。

そもそも短期売買が報われにくい理由は、株価は短期的に見ればランダムに動くので、それを予測して売買を繰り返しても、税金と手数料分損をするだけだからです。これをカードゲームに例えると、手持ちのカードを一枚捨て、デッキの中からランダムに選んだカードを一枚引くことと同じことを意味するため、それを何度繰り返してもパフォーマンスが上がるわけではないのです。

事実、90年代に米国で行われた世論調査によれば、6万6000世帯を対象に株式売買行動を調べた結果、市場全体の年平均リターンが17.9%だったのに対して、世帯全体の中で最も頻繁に売買を繰り返したグループのリターンは11.4%と市場平均を大幅に下回りました。

また、この調査では男性は女性よりも自信過剰バイアスに支配される傾向があり、売買頻度も活発だったことが明かになっており、男性は特に注意した方が良いです。

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とはいえ、投資家の中にはリバランスを目的に株式の一部売却を検討する人もいるので、必ずしも株を手放すことが悪いということではありませんし、リターンを押し下げる原因になるわけでもありません。

たとえば、アセットアロケーション(資産配分)を予め株式60%、債券30%、現金10%としている投資家は、株価の値上がりにより株式の比率が70%になれば、株式を10%ポイント分手放し、それを債券と現金に振り分けることで将来の弱気相場に備えることができます。

ここで注意しなければいけないことは「どの株を売るべきか」ということです。一般的に多くの投資家は値下がりしている銘柄よりも値上がりしている銘柄を売る傾向にあります。これは、値下がりしている銘柄を売って損失を確定することは「銘柄選択を間違えた」ことを認めることに他ならず、はるかにストレスが大きいからです。

一方で、値上がりしている銘柄は、たとえ利益が課税されたとしても「利食いが成功した」として満足感が得られるので、値上がりしている銘柄ほど売りやすいのです。

では、「どの株を売るべきか」ですが、概ね値下がりしている銘柄を売った方が賢明です。たとえば、最近ではゼネラル・エレクトリック(GE)やクラフト・ハインツ(KHC)などの優良株が暴落しましたが、これは将来の稼ぐ力が低下したため株価が暴落しているわけです。

事実、ゼネラル・エレクトリックは次々と事業を手放し、クラフト・ハインツはのれん代の減損処理費用を計上したほか一部ブランドの売却を進めているわけですが、これはどちらも将来の稼ぐ力が数年前よりも格段に低下していることを意味します。

株式投資の本質は「事業を買うこと」ですから、事業そのものの価値が毀損した値下がり銘柄を売るということは、事業価値を持続している優良銘柄を売るよりもずっと良い投資判断と言えるのはそのためです。

グッドラック。

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