バフェット太郎です。

世界経済の成長鈍化と米中貿易戦争激化に伴い、米経済が失速しつつある中、個人投資家の中にはリセッション(景気後退)を恐れて強気相場から降りてしまった投資家も少なくありません。

しかし、金融緩和への期待が高まっているほか、底堅い企業業績が確認されていることを考えれば、ただちにリセッション入りする兆候は見られません。そのため、強気相場から降りてしまった投資家はしばらく後悔の念に苛まれることになりそうです。

【S&P500種指数:2009ー2019】
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2009年以降の強気相場を振り返ると、2011年と2016年、そして2018年にそれぞれ200週移動平均線に達する調整局面がありました。

2011年は「米国債ショック」、2016年は「FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ」がきっかけでした。そして、2019年はこれまで市場の牽引役となってきたFAAMG銘柄の業績が失速したことに加えて、FOMC(連邦公開市場委員会)でFRBが「19年は年二回の利上げ」と、市場が予想する「0回」を上回ったことが嫌気されました。

こうした中で、個人投資家たちは「強気相場の終わりの始まり」を意識して保有株の売却に走ったわけですが、引き続き強気相場が続いていることを考えると、どうやらその投資判断は間違いだったということがわかります。

強気相場を途中で降りるということは、実損こそ免れるものの、本来投資を続けていれば得られたであろう値上がり益や配当をみすみす取り逃すことを意味するため、機会損失をしたことになります。

そのため、仮に2016年の調整局面で強気相場から降りてしまった投資家たちは、その後の強気相場の恩恵を一切受けることができなかったので、およそ40~50%もの値上がり益と、三年間に渡って得られたであろう配当を逃したことになります。もちろん、買い戻していれば値上がり益を多少なりとも得られたかもしれませんが、間違いを認めることのできる投資家は少ないので、それができた投資家はやはり少ないです。

株を買ったり売ったりするという投資スタイルは、一見すると「柔軟に対応している」ように見えますが、言い方を変えれば「相場に振り回されているだけ」とも言えます。一方で株を買ったら買い持ちするだけのバイ&ホールドは、「思考が停止している」ように見えますが、言い方を変えれば「相場に惑わされない」とも言えます。

どんな投資スタイルであれ、常に最高のパフォーマンスが期待できる魔法の投資スタイルというものはありません。そのため、相場の変化を予想して、投資スタイルをコロコロ変えることが賢明のように思えますが、強気相場を途中で降りてしまったがために、本来得られたはずの利益のみすみす取り逃してしまった個人投資家がたくさんいるように、タイミングを上手く捉えたり、相場を正確に読むことのできる投資家などほとんどいないことがわかります。つまり、投資家は投資家であり続ける限り、暴落を回避することはできないということです。

従って、個人投資家は「シンプルでリスクの低いポートフォリオをデザインし、暴落に慣れ、一貫した投資スタイルを継続する」方が相場を読んだり柔軟な投資をするよりずっと賢明だと言えます。

グッドラック。

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