バフェット太郎です。

ISM(米供給管理協会)が発表した4月のISM製造業景況指数は予想55.0に対して、結果52.8と予想を下回りました。指数は予想を下回ったものの、依然として景気拡大と縮小の節目である50を上回ったことから、米経済の底堅さが示されました。

【米ISM製造業景況指数:重要度★★★】
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(出所:ISM

「総合指数」は52.8と、前月の55.3ポイントから2.5ポイント下落しました。

「新規受注」は51.7と、前月の57.4から5.7ポイント下落しました。

「生産」は52.3と、前月の55.8から3.5ポイント下落しました。

「雇用」は52.4と、前月の57.5から5.1ポイント下落しました。

「価格」は50.0と、前月の54.3から4.3ポイント下落しました。

米中貿易摩擦の影響を受けて「新規受注」が大幅に失速しています。また、オーダーが無い中で生産を増やせば在庫が積み上がってしまうので生産を減速しなければならず、生産を減速させるということは人手がいらないことを意味するため「雇用」も落ち込みます。さらに、モノが売れなければ「価格」は値下がりするのでインフレ懸念が和らぎます。

インフレ懸念が和らげば、FRBによる「利上げ休止」の判断を後押しするため金利は上がりにくく、為替はドル安円高に振れやすいです。また、景気拡大と縮小の節目となる50を依然として上回っていることから、米経済は依然として底堅く、引き続き株高が期待できます。特に、セクター別では高金利を背景にこれまで敬遠されていた高配当株や売上高成長率の高いハイテク株などが選好されやすいです。
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過去30年間の米ISM製造業景況指数を眺めると、リセッション(景気後退)の直前に指数が50を下回っていることがわかります。4月は52.8と依然として50を上回っているものの、18年8月をピークに指数の下落トレンドが続いていることに加えて、米中貿易協議が物別れに終わる可能性があることを考えれば、近い将来50を下回ってもおかしくありません。

とはいえ、50を下回ったからと言って必ずしもリセッションに陥るわけではないことにも注意しなければなりません。たとえば、過去を振り返ると、98年、02年、06年、12年、13年、15年に指数が50を下回ったものの、その後持ち直してリセションは回避されました。

つまり、8回の売りシグナルのうち、2回しか実際にリセッションが訪れていないのです。

そのため、指数が50を下回ったからと言って、必ずしも「売りサイン」となるわけではないものの、01年と07年のリセッション直前で売りシグナルが出ていたことを加味すれば、過度な楽観は禁物だと言えます。

グッドラック。

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