バフェット太郎です。

米労働省が4月の雇用統計を発表しました。内容は良かったです。

非農業部門雇用者数は予想18万1000人増に対して、結果26万3000人増と予想を大きく上回りました。就業者数はこれで103カ月(8年7カ月)連続で増加し、過去最長を更新しました。

失業率は予想3.8%に対して、結果3.6%と予想より良かったです。

【米失業率:1988ー2019】
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(出所:米労働省

失業率が3.6%まで低下するのは1969年12月以来およそ49年ぶりで、歴史的な低水準を記録しました。過去、リセッション(景気後退)入りの直前に失業率が上昇していたことを考えると、失業率の下落が続いている今、景気拡大期が終わってしまうような差し迫った状況にないことがわかります。

【平均時給(対前年比)2017.8ー2019.4】
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平均時給(前月比)は予想+0.3%に対して、結果+0.2%と予想を下回りました。

平均時給(前年同月比)は予想+3.3%に対して、結果+3.2%と予想を下回りました。

失業率が歴史的な低水準で推移する中、平均時給は+3.2%と緩やかな上昇が続いており、労働市場が引き締まりを見せる中で企業の人材獲得競争が賃金を押し上げていることがわかります。

ただし、就業者数が大幅に伸びたほか、平均時給の上昇率が前月の伸びと同水準だったことから、加速する兆候は見らませんでした。

【業種別就業者数の増減(単位:千人)】
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「建設業」は+3万3000人と前月に引き続き好調でした。

「小売業」は-1万2000人と前月に引き続き悪化しました。

「専門・技術サービス」は+7万6000人と前月の+2万4000人から大幅に拡大しました。

「教育・医療」は+6万2000人と前月に引き続き好調でした。
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米中貿易摩擦による悪影響が心配されている「製造業」は+4000人と持ち直しの兆しを見せています。

さて、4月の雇用統計は就業者数は好調だったものの、賃金が一段と加速する兆候が見られないことからインフレ懸念はありません。そのため、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げも利下げもしない「様子見姿勢」を正当化しました。

FRBは好調な労働市場を追い風にインフレ率はいずれ上向くと考えており、2020年と21年にそれぞれ1回ずつの利上げがあるとの見方を示しています。

ただし、過去を振り返るとFRBが一度利上げを休止して様子見姿勢を取った場合、次の手は「利下げ」になりやすいです。そして、利上げを休止するのは景気拡大期がピークに達し、物価は落ち着きを保ち、成長ペースは緩やかという局面が多いです。

つまり、将来はFRBの予想に反して利下げとなる公算が大きく、利下げはリセッションを意味するため、投資家は目先の株高に過度な期待を示さない方が賢明です。

グッドラック。

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